北朝鮮の一部地域で、穀物や食料品の価格が下落傾向にある。

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、今月に入って恵山(ヘサン)市場でのコメ、トウモロコシ、食用油、化学調味料、砂糖の価格が下落している。

まずコメだが、5700北朝鮮ウォンから5400北朝鮮ウォンに下落し、トウモロコシも3300北朝鮮ウォンから2600北朝鮮ウォンまで下がった。大豆は9000北朝鮮ウォンだったのが、今月20日から7000北朝鮮ウォンで取り引きされている。

また、食用油も4万6000北朝鮮ウォンから4万1000北朝鮮ウォンに、調味料は23万北朝鮮ウォンから21万北朝鮮ウォンに、砂糖も4万5000北朝鮮ウォンから3万5000北朝鮮ウォンに下がった。ただ、コロナ禍前の価格と比べると依然として非常に高く、一般庶民の手には到底届かない。また、品薄状態が続いている。(いずれも1キロの価格、1000北朝鮮ウォンは約23円)

価格下落の原因について情報筋は触れていないが、南浦(ナムポ)港を通じて輸入されているとの噂が立っており、それが影響している可能性がある。ただ、一日のうちにも価格が変動するなど乱高下が続いており、下落傾向が続くかは不明だ。

ここで注目されるのは、コメ価格の動向だ。例年なら前年の収穫の備蓄量が減る春先から上昇し、秋の収穫を迎えると下落傾向に転じる。しかし、今年の場合は相次ぐ自然災害と肥料の不足で作況が芳しくないと伝えられており、コメ価格がさほど下がっていない。

「秋に入って価格の下落を期待していた市民の表情には失望の色が表れている。今から来年の食糧事情を心配する声があちこちから聞こえるほどだ」(情報筋)

当局は、穀物の価格安定のために、販売を国営の国家食糧販売所に一本化する方針を示していたが、市場価格が示されているのを見ると、依然として市場での売買が続けられているようだ。また、このシステムが穀物価格に与えている影響も未知数だ。

北朝鮮は先月、約1140万ドル(約13億円)分の食糧を輸入したと、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が中国の税関統計を引用して報じた。8月と比べて44%増加した。主に幹部向けと思われるが、一部が市場に流され、市場価格に影響を与えている可能性も否定できない。