権力の源泉

「京都新聞」の持ち株会社である「京都新聞HD(ホールディングス)」が第三者委員会の報告書を公表したのは4月21日のこと。報告書では、白石浩子元相談役への報酬や私邸の管理費用の肩代わりが会社法違反に該当すると指摘された。違法な支払いは総額19億円超に上るとか。そもそも、なぜ、京都新聞は女帝の呪縛に囚われねばならなかったのか。

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 浩子元相談役の義父である白石古京(こきょう)氏は、長く、京都新聞の「実力社主」として権勢をふるった。一方で、私生活では嫡出の子がなく、正妻の没後、婚外子の英司氏を認知。その英司氏を京都新聞の後継社長に据えたのが、1981年だった。ところが、就任わずか1年半で急逝してしまう。

 京都新聞の元最高幹部によると、

「その後、単なる主婦だった浩子さんが京都新聞の会長に就き、実権を握るようになりました。英司さんは社長就任に先駆け、白石一族の資産管理会社“文化院”を設立していた。そこに、古京さんが所有する京都新聞の株式63万株を譲渡させました。その63万株が浩子さんの権力の源泉でした」

 文化院のトップに君臨し続けることで京都新聞を牛耳ってきたのだ。

白石家が29.9%

 2014年、京都新聞はHD制に移行。それに伴い、文化院は京都新聞HDの25.9%の株式を占める筆頭株主に納まった。第三者委員会の報告書によると、「女帝」は、87年からの34年間に年4000万〜6000万円の報酬を受け取っており、その総額は16億4770万円。さらに、私邸の管理費2億5950万円もつけ回していた。

 HDは報告書公表の会見で、「社会的責任に照らして許されない」と、女帝への返還請求に言及した。だが、HDの株式は、文化院25.9%のほか、浩子元相談役が2.5%、彼女の息子でHD取締役の京大(きょうた)氏も1.5%を保有。要は、白石家に29.9%を押さえられているのだ。

「他の大株主は波風を立てるのを避け、ずっと白石家の方針に追従してきた。白石家のファミリー企業である京都新聞から白石家を排除するのは容易ではありません」

 従って、第三者委員会の報告書も無意味なものになってしまいかねないという。

「週刊新潮」2022年5月19日号「MONEY」欄の有料版では、第三者委員会の報告書公表を巡る舞台裏を詳報する。

「週刊新潮」2022年5月19日号 掲載