「アイドルは賞味期限が短い」――そんな定説を覆す“快挙”に業界内でも注目が集まっている。これまで4つのグループを渡り歩き、「10年目にして花を咲かせた」アイドル・櫻井優衣(23)の成功の裏にあった「1冊の本」と“わが道を行く”反骨エピソードとは。

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 7人組アイドルグループ「FRUITS ZIPPER」の快進撃が止まらないと話すのは、さるスポーツ紙デスクだ。

「FRUITS ZIPPERは昨年末に『第65回日本レコード大賞』で最優秀新人賞に選ばれ、2月にはMステ(テレ朝系)に初出演。さらに5月に武道館ライブを行うなど、ここに来て注目度が急上昇しています。そんななか、メンバー内でも“1、2を争う”人気の櫻井優衣さんのファースト写真集が2月20日に発売され、すでに重版も決定するなど話題に。実は櫻井さんはアイドル歴が長い反面、これまでブレイクすることなく“くすぶっていた”印象が強かったため、いまの活躍に業界内でも驚きの声が上がっています」

 櫻井のデビューは13歳。「ピンク・レディー」の後継グループとして、作曲家の都倉俊一氏がプロデュースした「ピンク・ベイビーズ」に加入し、アイドル活動をスタートさせた。

 当時を知る関係者は「グループのなかでは“準センター”といった感じで、彼女のファンも最初の頃は10人程度しかいなかった。ピンク・ベイビーズは2017年に解散しますが、理由の一つに“メンバー間の不仲”が挙げられた」と話す。

ソロCDは2000枚

 櫻井が18歳の時、今度はソロデビューを果たすが、当時のレーベル関係者はこう振り返る。

「ピンク・ベイビーズ解散後、サロンモデルなどもやっていた櫻井さんを2つ目となる所属事務所関係者が熱心に口説いて、アイドル活動に復帰させた経緯がありました。事務所側の説得に対し、櫻井さんは『もうグループでやりたくない。ソロでやりたい』との希望を伝え、すぐにソロデビューの流れが決まった。ソロCDは2000枚程度売れ、初めてとしては悪い数字でなかったものの、櫻井さんはプロモーションに不満だったようで、半年ほどで事務所も辞めたと聞いています」

 当時を知る古参ファンの一人が言う。

「その頃の彼女はアイドルとして決して順風満帆ではありませんでしたが、『私は鈴木愛理さんと同じ場所にまで行く。それまで絶対に夢は諦めない』と話していたのを覚えています。実際、彼女に当時、“プレゼントに何が欲しい?”と聞いた時、『鈴木愛理さんのサイン入りの写真集』との答えが返ってきて困ったことがありました」

 鈴木愛理はアイドルグループ「℃-ute」(ハロプロ)の元メンバーで、その後、ソロや女優としても活躍。3月から始まる主演ドラマ「ある日、下北沢で」も話題となっている。

コンビニで買った1冊の本

 前出のファンはこのソロ時代に、櫻井から「心の支えにしている」という1冊の本の存在を教えられたという。

「『夢をかなえるゾウ』の作者で知られる水野敬也氏が共著者となった『人生はワンチャンス!「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法』という本です。彼女はアイドルとして悩んでいた中学生の時、“コンビニでこの本を買って勇気づけられた”と話していました」

 ソロ活動を終えた20年1月、櫻井を中心としたアイドルグループ「MyDearDarlin'」が結成されるも、同年7月に活動終了。その後、2つのアイドルグループに加入するが、いずれも短期間で卒業し、21年12月に現在の事務所である「アソビシステム」に所属――。

 かつて櫻井が在籍したプロダクション関係者がこう話す。

「業界内では“ワガママ”と評する声も一部でありますが、彼女のプロ意識は本当に“スゴい”のひと言。向上心が強く、そのための努力は惜しまず、恋愛話なども聞いたことがない。だから“自分の意向とは違う”と言って幾つものグループを辞めても、『ウチでどう?』とすぐに次の声が掛かるのだと思います。『義理人情に欠けるところがある』と話す業界関係者もいますが、その“反骨精神”がいまの成功を招き寄せたのかもしれません」

 セカンドチャンスどころか、“ファイブチャンス”をモノにした櫻井優衣はどこまで成り上がるか。

デイリー新潮編集部