厚労省は19日、飲酒に関するガイドラインを国としてはじめて公表。「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」として、例えばビールなら、男性は中瓶2本、女性は中瓶1本という基準が示された。これに全国の酒飲みたちは困惑しきり……。ということで、その1人であろうみのもんた(79)に尋ねてみると、独自の“酒論”と変わらぬ酒豪っぷりを披露してくれた。

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 そんなガイドラインができたんですか。でも、どういう基準で定められた数字なの? その基準を考えた先生に会って、一杯傾けたいね。

 一升瓶を空けたとか、とっくりを空けたとか、よく酒は「量」で量られますけど、そうではなくて、大事なのはそのときの気持ち。気分次第で、一升瓶になるときもあれば、とっくりのときもあるし、時にはコップ酒にもなる。要するに、「この量が一番いい」というのは、僕はないと思うなぁ。やっぱり、酒はハカリで量るものではなくて、気持ちで量るものですから。

 酒の飲み方には、笑い上戸だとか、泣き上戸だとか、怒り上戸だとか、色んなタイプがあるじゃない。360度、人に色々な顔を持たせられるのが、酒なんですよ。どこかに角がある三角でも四角でもなくて、「丸」。そして、笑いや怒りの味もあれば、涙や溜息の味もある。「酒は涙か溜息か」なんて言うけど、どっと疲れたときにホッと一息つけたり、大きく吸い込んだ息を吐くことで憂さが晴れたり、そんな溜息の先には、人生の裏側が見えたり。やっぱり、人生そのものなんだよね、酒って。

朝起きたら中瓶2本

 そういう話をすると、「単なる酒飲みじゃないか」って、医者の先生方にいつも怒られるんだけどね。飲みすぎには注意しろとはいつも言われてますよ。でも、おかげさまで血糖値は安定しているし、肝機能の障害もないし、膵臓も元気。毎日欠かさず、楽しいアルコール生活を送っています。家で一人で飲むことも多いけど、銀座の馴染みの店に繰り出して友達と飲んだりすることもあります。

 どれくらい飲んでいるのかというと、まず、朝起きたらビールを中瓶2本。え、これでガイドラインにひっかかっちゃうの?でもやっぱり、寝起きの一杯はうまいんだよな〜。僕は日が出てるときに飲む酒が大好きで。それから悪いクセでね、盗み酒なんて言うけど、人に隠れてこっそり飲むのも好きなのよ。もう、朝昼晩関係ありませんから。でも、飲む機会が多いほど、チビチビ飲むだけになるから、飲酒量はむしろ減る気がします。僕の経験から言うと、間を空けるほど、深酒になる。だからこうしてしょっちゅう飲んでる方が、かえって適量になるのよ。え、そんなことないって?

僕の人生は酒そのもの

 ゆうべは紹興酒を飲みました。ひやでコップ2杯かな。あとは銘柄は忘れたけど、台所にあったウイスキーをオンザロックで1、2杯ほど。それで『角瓶』も見つけたものだから、ちょっとソーダで割ったりしてね。僕はお酒だったらなんでもいいんです。銘柄にも、飲み方にもこだわりはありません。あんまりこだわって飲んでも疲れちゃうじゃない。なんだっていいのよ。みんな、こだわらずに好きなものを飲みましょうよ。でも強いて言うなら、お燗はしないくらいかな。日本酒も基本はひやで、焼酎もオンザロック。あとはもちろんワインも飲みますよ。そこにシャンパンまであればもうフルコースだね。そうそう、シャンパンといえば、数年前にパーキンソン病の診断を受けたとき、「あなたにぴったりの薬がある」なんて言われたもんだから、なんだと思ったら、『ドンペリドン』という薬を処方されまして。「それならいつも飲んでますよ」なんて言ってね(笑)

 やっぱり僕の人生は、酒そのものです。時には甘いかもしれないけど、時には苦くもなる。生きがいであり、命をいただいているような。鎌倉の自宅からは、八重桜がよく見えます。満開の桜を眺めながら飲むのが、今から楽しみです。

デイリー新潮編集部