大型特番に出演

 TBSとフジテレビが、松本人志(57)の“争奪戦”を開始したという。背景には、テレビ業界の「お笑い番組ブーム」があるようだ。

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 まずはダウンタウン、松本人志、そして浜田雅功(58)のレギュラー番組がどうなっているのか見てみよう。表にまとめてみた。

 読売テレビを日本テレビ、ABCをテレビ朝日、MBSをTBSとして考えると、合計12本の番組で最も多いのはTBS系列で4本。日本テレビ系列とフジテレビ系列が3本、テレビ朝日が2本だった。

 しかし内訳を見てみると、また違った見え方になる。まずコンビで出演している3本のうち2本は日本テレビ系列だ。

 一方、松本のレギュラー番組は3本のうち2本がフジテレビ系列。浜田のレギュラー番組は6本のうち3本がTBS系列となる。民放キー局で番組制作に携わるスタッフが言う。

「フジテレビは8月28日と29日、『FNSラフ&ミュージック〜歌と笑いの祭典〜』を生中継します。公式サイトによると『歌と笑いの融合』がテーマ。司会は入社1年目の新人アナ3人が担当するのも話題ですが、松本さんもMC的なポジションで出演します。何でも新人アナをサポートする“キャプテン”なんだそうです」

フジと松本人志

 このスタッフ氏は「最近、TBSと松本さんの距離が近づいている」と指摘した上で、フジの特番に松本が出演するのは、その巻き返しではないかと分析する。

「TBSはダウンタウンのレギュラー番組として『水曜日のダウンタウン』を放送しています。正月特番『ドリーム東西ネタ合戦』や、昨年9月に放送された8時間近い大型特番『お笑いの日2020』でも、松本さんと浜田さんがMCを務めました。更に松本さんは人気番組だった『クレイジージャーニー』(2015〜19)にも出演していました」

 浜田のレギュラー番組も2本がMBS、1本がTBSと、こちらもTBS系列と関係が深い。

「フジテレビは巻き返そうとして、『ラフ&ミュージック』で松本さんに出演を依頼したのではないでしょうか。そもそもフジのほうが、松本さんとは関係が深いのです。『ダウンタウンのごっつええ感じ』(1991〜97)や『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(1994〜2012)は伝説のレベルですが、現在でも『人志松本のすべらない話』、『IPPONグランプリ』、『まっちゃんねる』、中居正広さんとの共演が話題になった『まつもtoなかい〜マッチングな夜〜』という特番も制作・放映されています」(同・スタッフ)

 ダウンタウンの2人も、間もなく還暦だ。それでも、なお売れ続けているのは、彼らの実力だけでなく、今のテレビ界に「ネタ・コント番組ブーム」が到来しているのも大きいという。

ネタ・コント番組のブーム

「日テレは『有吉の壁』(水・19:00)をヒットさせました。フジは『新しいカギ』(金・20:00)をゴールデンで放送し、TBSは10月から『ザ・ベストワン』をスタートさせます。いずれも複数のお笑い芸人が出演し、ネタを見せるという内容は一緒です」(同・スタッフ)

 ダウンタウンのうち、特に近年の松本は「M-1グランプリ」では審査員、「IPPONグランプリ」では大会チェアマン、「人志松本のすべらない話」では“主催者”という位置づけで、彼のコントを放送する番組は皆無だった。

「さすがに、かつてのカリスマ的人気は薄れており、ネット上では『つまらない』という声も目立っています。とはいえ、依然として松本さんはお笑い界の頂点に君臨し、笑いの神と尊敬されています。TBSは6月に『キングオブコントの会』を放送し、松本さんのコントを20年ぶりに放送しました。これもお笑いブームの中、松本さんのコントを久しぶりに視聴者に見てもらおうと考えた企画でした」(同・スタッフ)

 フジテレビとTBSが“松本争奪戦”を繰り広げる中、一歩引いた形になっているのは日本テレビとテレビ朝日だ。

松本人志の影響力はアップ!?

「日本テレビはダウンタウンのレギュラー番組を持っています。何よりも『笑ってはいけない』シリーズがあるのが最大の強みでしょう。もう充分という判断ではないでしょうか。明石家さんまさん(66)、内村光良さん(56)、有吉弘行さん(47)といった売れっ子の番組も、しっかり持っているのはさすがです」(同・スタッフ)

 一方のテレビ朝日は「出入り禁止伝説」が存在する。テレ朝と吉本興業の上層部が揉め、ダウンタウンの出演禁止が決まったという内容だ。松本本人も認めてはいる。

「真偽のほどは分かりませんが、松本さんはABCが制作している番組にしか出演していません。実際、これだけ番組制作が行われていないと、松本さんと話ができるスタッフはテレビ朝日にはほとんどいないのではないでしょうか」(同・スタッフ)

 いずれにしても、テレビ界における松本の“影響力”は今後、ますます強まるという。

「今後もレギュラー番組や、特番の出演依頼は増えると考えられます。松本さんがやりたいと考えていた企画が放送されることも目立っており、テレビ業界で“松本人気”は全く衰えていません」(同・スタッフ)

デイリー新潮取材班

2021年7月26日 掲載