最近、関口宏(78)が司会を務める「サンデーモーニング」(TBS)での発言が、ネット記事やSNSで物議を醸すことが増えている。落ち着いた知的なトーンの話しぶりで、数々の人気番組の司会をこなし、視聴率100%男とまで呼ばれた御仁。放送35年目に突入した「サンモニ」も、TBSでは常に視聴率上位に君臨する人気番組だ。一体、彼に何が起きているのか。

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 日曜日の朝8時から、たっぷり2時間放送されている「サンモニ」。このところ、コメンテーターや関口の発言は政府に批判的なものばかりで、左傾化したなんて声もあるほどだ。

 例えば、9月12日の「サンモニ」では、新型コロナウイルスの新規感染者が東京で減少していることについて、彼は識者に向けて以下のように質問を投げかけた。

関口:東京都は減ってきているように感じるんですが、これはいいんでしょうか?

 この一言に飛びついたのがネットニュースで、SNSも反応した。

《感染者が減ってるのがいいんですよ。何かいけないことなんですかね? 不自然なのはサンモニの出演者の受け止め方のほうですよ・・・》

《関口宏正気か?→東京都コロナ感染者減少にサンモニ出演者が不満感を顕にして不自然だと難癖付け始めどうしても日本社会を混乱させたい本音がダダ洩れ》

《結局減っても増えてもイチャモンつけんだな。結局、反体制を言いたいだけ。》

 民放プロデューサーは言う。

「関口さんだって、なにも『減っていいのか!』と言っているわけではないことは、その後のやり取りを見ればわかるんですけどね。ただ、言葉が足りなかったように感じます」

元々は七光り俳優

 この日はさらに、イタリア人パイロットが小型飛行機で高速道路のトンネルをくぐり抜けて、世界最長記録を樹立。ギネス記録として登録されたというニュースに対しては、

関口:できたから、何なんだ!と思っちゃう。

「司会者としてちょっと乱暴でしたね。こうした言葉はそこだけ切り取られると、余計に印象が悪くなってしまいます。昔の関口さんだったら、こんなことはなかったと思います」

 1943(昭和18)年の戦中生まれ、御年78歳である。父は、上原謙(息子は加山雄三)、佐分利信とともに“松竹三羽がらす”として人気だった映画俳優の佐野周二。関口も元々は俳優だった。

「75年のNHK大河ドラマ『元禄太平記』では、赤穂四十七士の剣客・堀部安兵衛を演じましたが、弱そうでしたね。役者としてそこそこの活躍はしましたが、関口さんといえばやはり司会でしょう。俳優デビューして3年後の66年には早くも『ヤング720』(TBS)という若者向け情報番組で司会を務めたのを皮切りに、70年にはトーク番組『スター千一夜』(フジテレビ)の司会を盟友の石坂浩二さんと共に長く務めました」

年を取って頑固オヤジに

「87年には『サンデーモーニング』(当初は『関口宏のサンデーモーニング』)が始まり、他にも『クイズ100人に聞きました』(TBS)や『東京フレンドパーク』(同)、『知ってるつもり?!』(日本テレビ)、現在はビートたけしさんのMCとなった『どーする?!TVタックル』(テレビ朝日)など、ジャンルを問わない日本一の名司会者として君臨しました」

「100人に聞きました」が放送された月曜19時台の枠は、「東京フレンドパークII」まで番組は変わっても、関口の司会で30年以上続いた。

「バラエティの司会は、硬軟使い分け、ゲストの話を聞いて、ゲストの顔を立てつつツッコミもする、酸いも甘いもが要求されるわけですが、彼の担当した番組は軒並み高視聴率で、100%男とまで呼ばれました。彼と組んだことのあるスタッフに聞くと、とても気さくな人柄で、スタッフを自宅に招いて、夫人で歌手の西田佐知子さんが手料理を振る舞い、ヒット曲『アカシアの雨がやむとき』まで歌ってくれたそうです」

 そんな酸いも甘いも使い分け、普段は気さくな人物が、なぜ炎上発言を頻発するようになっただろう。

ヒマで困る

「80歳近い世代というと、大物司会者が多いんです。徳光和夫が80歳、福留功男が79歳、久米宏に草野仁、そして、みのもんたが77歳……。特に久米さんとみのさんは、バラエティで売れて、晩年はニュース(情報)番組だけになって、頑固な発言、態度が増えたように思います。関口さんも今や地上波は『サンモニ』だけですからね、年を取って頑固オヤジになったということでしょうね」

 他にも理由はあるようだ。

「関口さんは今年2月に『徹子の部屋』(テレ朝)に出演しました。この時、近況を語っているのですが、どうもイライラ感が募っているようにも感じました」

黒柳:現在は、月・火・水がお休みなんですって?

関口:ヒマで困っちゃうんですよ。コロナで何もできんでしょ。持て余して、持て余して。僕は忙中閑が好きでして、忙中だから閑が楽しいけど、閑閑閑はつまらんのですよ!

――多くの番組を持ち、多忙だった人なのである。さらに自動車運転免許も返納したという話に移る。

関口:免許返納、断腸の思いでした。私の人生は車で始まったみたいなもの。進駐軍のジープ、小さい頃に憧れて、僕らの頃は16歳で免許が取れたのでそれから車を手放せませんでしたから。75の時だったかな、さすがにバックしてぶつけたりするようになって……。

“M4層”のための番組

関口:これはもうダメかな、もしやっちゃった時に取り返しのつかないことになるなと思って、捨てようと。でも、不便だよねえ。人に運転してもらわないといけないから、行動範囲が狭くなっちゃってね。こんな目に合うとは思わなかったですよ。年取ったら楽しい人生が始まるのかなあと思ってたら、いろんなもん捨てていかなきゃならないわけでしょ、つまんない。

「世田谷のご自宅を売った話もされてましたね。今はマンション暮らしだそうですが、一軒家は“自分の城”だったと。そういう世代ですから、ジャーナリストは“政権の監視役”、批判するのが当然という意識も強いのかもしれません」

 TBSはどう考えているのだろうか。

「TBSにとって関口さんは長年の功労者ですから、文句など絶対に言えないでしょう。ましてや『サンモニ』は、今でも同局のトップを争う数字を持っているのですから、社長重役世代は足を向けて寝られないと思います。視聴者層だって中心は65歳以上の男性“M4層”です。頑固オヤジが見ている頑固オヤジの番組なんですから、若い人たちはもう少しいたわりの目で見てあげるしかないでしょう」

デイリー新潮取材班

2021年9月19日 掲載