嘘の投資話で金をだましとったとして、岡山の果樹園「西山ファーム」の元幹部ら5人が逮捕された。被害総額は133億円、被害者は約930名に上るこの事件は〈タレントがSNSで紹介するなどして(※農園の)知名度を上げ〉といった事実と共に報じられている(10月17日付「読売新聞オンライン」)。このタレントとは、紗栄子(34)のこと。週刊新潮では2019年5月23日号で、彼女が広告塔となった今回の詐欺話について、次のように報じている。

(※記事内で「加藤氏」とされているのは、詐欺容疑で逮捕状が出された海外逃亡中の山崎裕輔容疑者=40=を指す)

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「桃狩りのお客様」とのタイトルで、〈先日、紗栄子さんが西山ファームに来てくれました!! とってもキレイで素敵な方でした(^^)〉とある。桃の横で、ランウェイやファッション雑誌で見せる笑みを浮かべた有名モデル。2017年、岡山の大型農園「西山ファーム」のHPである。

 その翌夏、彼女のインスタグラムには、〈今年も西山ファームへ桃狩りへ〉(原文ママ)との文字とともに載せられた農園の写真。ほかにも、彼女がこの農園で楽しむ記述がいくつもある。

 早い話、紗栄子が岡山の「西山ファーム」なる農園を宣伝しているのだ。

「この西山ファームの関係者が“詐欺的行為”を働き、数百人規模で被害者が出ているのです」

 こう語るのは、複数の被害相談を受けた弁護士。

「西山ファームを経営してきた男性の元妻の子、仮に加藤氏としましょう。今年春ごろから、彼が手がける、マルチまがいの“詐欺的行為”に関する相談が増えたんです」

新旧のスキーム

 弁護士は続ける。

「一人当たりの被害額は、だいたい百数十万円から2千万円。平均すると600万円ほどでしょうか。加藤氏のスキームは新旧二つ。まず、旧スキームについてですが、農園の果物をクレジットカードで購入すると、代金の引き落とし直前に、払い込み額に1.5〜3%上乗せされて返ってくる。実際に果物が届くことはなかったといいます」

 たとえば100万円払い込むと、ジッとしていれば約103万円になる。これが数年前にはじまり、今年には新スキームがスタート。

「払い込むのは旧スキームと同じですが、お金は上乗せされず、払い込んだ額がそのまま戻る。クレジットカードのポイントやマイルがたまるので、被害者は乗せられたようです」

 たしかに、一見すると気軽に儲けられそうではある。

「なので、知人が知人を誘うマルチ商法的に広がったのです。ただし、西山ファーム側からの支払いが滞った。それでクレジットカードの支払いが間に合わなくなり、自己破産した方もいます。今年に入ってから和解書をばら撒いているようです」

 加藤氏を詐欺罪に問えるかは微妙だというが、

「売り上げはまちがいなく架空のもの。この売り上げをもとに銀行から融資を受けていれば、粉飾決算の可能性はあるでしょう。いまは“詐欺的行為”の実態を調査している段階です」

 もともと西山ファームを経営していた男性が、こう吐き棄てる。

「加藤は、半年ほど前に離婚した妻の連れ子。だから、血のつながっていない息子です。本当に大迷惑しとるんよ。あいつは名古屋で宝石を売ったりしてブラブラしとった。3年前に農園の仕事をやらせてみたら、いらんことしよってからに」

 当の加藤氏に話を聞いた。

「私は詐欺的な行為など行っていません。新旧のスキームの顧客は1500人ほどいますが、現在、ほとんどの方と和解しています。西山ファームに迷惑をかけたことについては、責任を感じています」

 そんな男と農園との関係を、紗栄子の所属事務所は、

「仕事として西山ファームの広告に携わっていたのは事実です。ご理解いただきたいのは、西山ファームが詐欺的な行為をしていることを、我々はまったく知らなかったということ。知っていたら仕事をお受けすることはありませんでした」

 場合によっては、加藤氏が刑事責任を問われかねない事案である。そうなったとき、人気モデルが払う代償は計り知れない。

「週刊新潮」2019年5月23日号 掲載