今期、第6シリーズを放送中の「警視庁・捜査一課長」(テレビ朝日)に異変あり。視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区、世帯:以下同)は、第2シーズンの第2話を最後に2桁を割ったことはなかったが、5月5日放送の第4話から1桁を連発している。ちなみに第4話のメインは、“ブランク”こと奥野親道・警部補を演じるナイツ塙宣之(44)だった。

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「必ず!ホシを挙げるっ!」

 内藤剛志(66)演じる捜査一課長の大岩純一・警視正の号令とともに、課員が一丸となって事件解決に取り込む「警視庁・捜査一課長」。

 2012年に土曜ワイド劇場の単発2時間ドラマとしてスタートし、15年まで5作品が放送された。レギュラー化したのは16年だ。民放プロデューサーが言う。

「第1シリーズから昨年の第5シリーズまで、シリーズ平均視聴率が2桁を割ったことはありません。1話ごとの数字を見ても、第2シーズンの第2話(17年4月27日放送)の9・6%以来、およそ5年間、一度も1桁の視聴率がない、堅実無比を絵に描いたような好成績を上げてきました。テレ朝も『相棒』、『ドクターX』、『科捜研の女』の、いわゆるBIG3を継ぐドラマとして期待していたと思います」

 ところが……。

「5月5日の第4話が9・3%、第5話が9・6%、第6話が9・2%と1桁を連発し、浮上する兆しが見えません。このままでは初のシーズン平均2桁割れになるかもしれません」

 どうして突然、数字を落とすことになったのか。

「正直言って、今シーズンはおふざけが過ぎると思います」

ついにメインを張ったナイツ塙

「捜査一課長」は、“ヒラから成り上がった最強の刑事!”こと大岩捜査一課長と部下である小山田警視(金田明夫[67])、大福こと平井警部補(斉藤由貴[55])らの真摯な捜査と、大岩が多忙を縫って帰宅した際の愛妻(床嶋佳子[57])と愛猫ビビとのほっこりシーンがいい対比となっていた。その一方で、本田博太郎(71)が怪演する笹川警視監が突然現れては、叱咤激励するシーンも番組名物だ。第3シリーズからは大岩の運転担当として奥野親道(ナイツ塙)も加わり、おふざけ感が増えた。

「ナイツ塙は初登場時から“棒読み演技”が話題となりましたが、今シーズン第4話では、ついに彼をメインに持ってきました。タイトルは『俳句を盗んで殺人!? 棒過ぎる刑事が詠んだ愛の575』で、彼が俳句仲間の川上美月(元テレビ東京アナの鷲見玲奈[32])にプロポーズするシーンから始まりました。塙の“棒演技”は相変わらずですが、相手の鷲見アナも正直言って棒。アナウンサーが俳優業を始めると、どう頑張っても棒演技に見えてしまうものですが、棒×棒でさらに増幅されました。それを逆手に取ったのでしょうか……」

 重要参考人となる川上美月(鷲見)と奥野(塙)がなぜ出会うことになったのか、谷保健作(※ヤホー検索:ナイツ土屋伸之[43])が大岩らに明かす。

気が散って集中できない

谷保:奥さんを亡くしてからの奥野は、本当に見ていられませんでした。心に大きな穴が空いたようで、感情が顔に出なくなり、言葉も抑揚をなくして、まるで棒のようでした。

小山田:それが奥野が棒になった秘密ですか?

――大きく頷く大岩。

谷保:それで美月さんを紹介したら、美月さんが奥野を俳句教室に誘ってくれて、奥野は美月さんのおかげで徐々に感情を表に出せるようになったんです。

大福:あれでも感情、出せるようになってたんだ。

「“棒演技”を逆手に取ったつもりなのかもしれませんが、ナイツ塙の棒は話題にはなっても、ドラマの主軸にはなり得ません。昔からのファンからすれば、見ちゃいられない。さらにこの日は、かつての奥野が熱血刑事だったと回想するシーンで、塙が錦鯉の長谷川雅紀(50)を取り調べるシーンまで出てきました。塙が『いい加減にしろ! いい年こいて恥ずかしくないのか!』と怒鳴るのですが、とても熱血には見えない棒っぷりでした。お笑い芸人の安易な起用もマイナス材料でしょう。ちなみに錦鯉・長谷川が取り調べられたのは、ニシキゴイ17匹を盗んだ容疑でした。ここまでされると、ドラマファンは気が散って集中できません。『捜査一課長』の視聴者は、高齢層が多いのですからなおさらだと思いますね」

 これをきっかけに、「捜査一課長」の数字は落ちたというわけだ。

若返りを狙って空回り

「不要なギャグは徐々に増えてきましたが、今期は特に多いと思います。例えば、ダジャレを効かせた役名とキャスティングです。第1話と第2話のタイムトラベラー殺人事件では、タイムトラベラーズ社長夫人に時岡江留奈(ときおかえるな)、第3話のスーパーの惣菜係“コロッケの女神”に揚田温子(あげたあつこ)、第5話の一発屋殺人では小島よしお(41)が太平洋和を演じましたが、これは“オッパッピー(Ocean Pacific Peace)”をもじったものでしょう」

 大岩一課長が第一報を受けるシーンも疑問だという。

「電話で報告を受け、現場に向かうわけですが、例えば第4話では、『なに!? 辞世の句をパクったご遺体が? わかった、すぐに臨場する!』で現場に直行していますが、その電話で何がわかったのか。そんな報告ばかりになってきて、『そんな報告じゃわからん! しっかりしろ!』とでも言うべきです」

 なぜヒューマンミステリードラマは、“ギャグドラマ”になってしまったのだろう。

「経年劣化に抗っているのでしょうが、やり過ぎではないでしょうか。木曜ミステリー枠は『科捜研の女』も放送されましたが、今秋から若向きに改編されるといわれています。スタッフも何とかしなきゃと考えてやっているのでしょう。でも、何だか空回りしている気がしますね」

デイリー新潮編集部