6月25日に最終回が放送されたディーン・フジオカ(41)主演「パンドラの果実 科学犯罪捜査ファイル」(日本テレビ)の視聴率は4・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)だった。全10話の平均視聴率は5・7%と、土曜ドラマ史上ワースト記録だ。もっとも同日からHuluで続編(全6話)が早くもスタートした。大丈夫なのか?

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 ちなみに、日テレの土曜10時台の土曜ドラマで、これまでのワースト記録は、今年1月期に放送された成田凌が主演の「逃亡医F」(平均視聴率7・4%)だから、「パンドラの果実」の視聴率がいかに低いかがよくわかる。

 そもそも「パンドラの果実」は、日テレの子会社であるHuluとの共同制作だった。最初から続編の配信は決まっていたこととはいえ、これだけ視聴率が低いと、続きを配信で見たい人がどれだけいるのか、という問題が出てくる。

「まさかここまで数字が取れないとは、Huluも思ってなかったと思います。やはり地上波で視聴率の良かったドラマの続編を配信するのが理想ですから」(日テレ関係者)

 そもそも「パンドラの果実」はなぜ失敗したのか。

「実は『パンドラの果実』は、当初は別の主演俳優でオファーしていたのですが、交渉が難航し、最終的にディーンに決まったそうです」

 デイリー新潮は「ディーン・フジオカは特別待遇も……『パンドラの果実』不調で蘇る5年前の悪夢」(5月21日配信)で、日テレが「今からあなたを脅迫します」でディーンに迷惑をかけてしまった“借り”を返すため、主役に決めたと報じたが……。

人気俳優はスケジュールを組めない

「それは後付けの理由でしょう。当初、キャスティングが上手くいかなかったのは、拘束期間の問題でした。日テレの地上波、全10話の他、Huluで配信する続編のために撮影するとなると、拘束期間は非常に長くなります。人気俳優なら、スケジュールは3年先まで埋まっている状態です。そのため、地上波10話分の時間はあっても、Hulu用の撮影日数まで確保できる人気俳優はなかなか見つからなかったのです」

 地上波ドラマの視聴率を見定めてから、新たに配信用の続編を作ったほうが効率がいい気もするが。

「地上波放送を終えてから、半年あるいは1年後に出演者やスタッフを再度招集することは非常に難しいんです。それに撮影後にスタジオセットなどは壊してしまうため、再びセットを組むのは予算面でもコスパが悪い。その点、地上波の撮影が終わった直後に配信用の撮影に入れば、1000万円から1500万円の予算を削減できると言われています」

 コストパフォーマンスがいいのだ。さらに、

コロナ後の起爆剤として

「Huluは現在、契約者数300万人を目標にしています。しかし、ここへ来て会員登録者数に陰りが見えてきたのです」

 コロナ禍で在宅時間が増え、Huluに限らず有料動画配信サービスは好調と言われていたが、

「感染拡大の時期も収まりつつあり、経済も回り始めると、それまでの勢いはなくなってきたのです。そのためHuluには、起爆剤としての配信コンテンツを増やす必要もあったようです」

 実を言うと、その原型は7年前に作られた。

「日テレがHuluを子会社化したのは2014年4月。ドラマの共同制作が初めて行われたのは翌15年でした。唐沢寿明が主演の『THE LAST COP/ラストコップ』で、この時はまず日テレの『金曜ロードSHOW!特別ドラマスペシャル』でエピソード1として単発で放送した後、Huluで連ドラ(全7話)が配信されました。Huluでは配信開始直後から新規のユーザー登録が急増し、多くのユーザーを獲得することに成功しました。さらに16年には、日テレの地上波で新たに連ドラとしてスタート。17年には映画化もされるという理想の展開がありました」

もうひとつの誤算

 17年には、日テレとHuluにWOWOWも加えて、共同制作も行われた。鈴木亮平が「ルパン三世」の“銭形のとっつぁん”を演じた「銭形警部」だ。まずは日テレが地上波で放送し、Hulu、WOWOWで別のエピソードを配信していくというものだった。昨年は日テレとHuluで竹内涼真が主演の「君と世界が終わる日に」を共同制作し、地上波放送後にHuluでSeason 2とSeason3が配信されている。

「今回はコスパと制作のスケジュールの関係で、早々と続編を配信しています。地上波で『パンドラの果実』が人気がないとなると、続編はもっと厳しいでしょう」

 Huluも頭が痛いだろう。

「Huluにはもうひとつ大きな誤算がありました。ディーンはF2層(35〜49歳の女性)とF3層(50歳以上の女性)を中心に人気があると言われています。ところが最近は、日本よりもアジアで人気があるそうです。残念ながらHuluは、日本国内でしか視聴できません。もちろん海外では、有料会員として登録することもできません。せめてアジアで配信できれば良かったんですがね」

デイリー新潮編集部