「金持ちけんかせず」とは言うけれど、誰もが知る女優の住む都心の超高級マンションで、物騒な裁判沙汰が起こっていた。原告側につくのは、あの浅田美代子(66)。騒動の発端には、彼女と親交が深い大女優の“形見”も絡んでいて……。

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 東京・都心のビンテージマンションに住む浅田は、昨年9月に上梓した自伝『ひとりじめ』(文藝春秋)の中で、彼女の師であり親友でもあった故・樹木希林とそこを内見し、「美代ちゃん、ここを買おう」と勧められて購入したことを明かしている。

 ところが、そのマンションの管理組合が、浅田の隣人を民事で訴えたことから、原告と被告双方が全面戦争の様相を呈しているのだ。

 訴状によれば、被告となったのは中国出身の60代男性で、彼はマンションの地下駐車場の賃貸契約を結んでおらず、敷地内に勝手に自分の車を停めるなどの迷惑行為を繰り返した。そこで管理組合はレッカー車を呼び強制排除した上、防犯カメラの設置や警備員の配置で対処。それらに要した費用を被告に求めたものだ。

 原告の訴えもむべなるかな、と読めるが、法廷の場に持ち込まれるとは、余程のことがあったに違いない。

「言葉が通じない中国人への差別」

 そこで訴えられた当の男性に話を聞くと、

「普段はいい人ばかりなのに、浅田さんは有名人なので他の組合員に圧力をかけているとしか思えない。言葉が通じない中国人への差別だと感じて、抗議デモのつもりで3回、駐車場の入口と通路を車で塞ぎました」

 と、実力行使は認めつつも、古美術の売買を生業にしているため、壊れやすく高価な品を運ぶのに車は必須だとして、こう続ける。

「このマンションは分譲当初、各戸に1台分の駐車スペースが割り当てられていたそうですが、私の部屋の前のオーナーが車を手放した際、そのスペースを浅田さんに譲った。以来、彼女は2台分使っていますが、最近になって規約書を読むと駐車場は共有部分ですが、私も区分所有の権利を持っていることが分かった。それで使わせてほしいと頼んだのに、組合で話し合いすらしてくれなかった。理事長と話したいと何回お願いしても会ってくれません。平等の権利を守るため裁判で徹底的に争います」

「鍵穴に接着剤」

 ちなみに、冒頭の自伝によれば、浅田の愛車は生前の樹木希林からもらい受けたクラシックカー「バンデン・プラ・プリンセス」で、〈古くなった今も、なかなか手放せないでいる〉とつづる。恩人の形見であるがゆえに駐車場は譲れないのか。

「住んで20年近く経ちますが、私にとってここはついのすみかだと思っています。樹木さんの車は何かあったら大変なので、このマンションで大切に保管しています」

 と語るのは、浅田美代子ご本人だ。

「駐車場は私が車を2台持っていたので正規に契約をしました。私が引っ越しでもしない限り空かないことを、彼も了承して住んだはずなのに、いちゃもんをつけてきたんです。勝手に車を停めるなどの嫌がらせが増えて困っています。理事長も電話では応対したそうですし、彼の言い分は全部違っていますよ。これは証拠がないんですが、エレベーターに汚物がまかれたり、ポストが壊されたり鍵穴に接着剤が入れられたりと、静かだったマンションに急にいろんなことが起こったので、住民が怖がっています。何をされるか分からないと引っ越した家族もいた。組合が監視カメラも増やしたし、私も防犯ブザーを持つようになりました……」

“一触即発”の気配も漂う有様では、法廷の場で争うのも止む無しなのか。

「週刊新潮」2022年8月11・18日号 掲載