俳優・千葉真一(享年82)の急逝から1年を迎え、ふたたび周囲が騒がしくなっている。「一周忌」が2カ所で開催される異例の事態に加え、千葉が生前に信仰していたとされる「宗教問題」が改めて“火種”として浮上しているのだ。

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 昨年8月19日に新型コロナウイルスの感染による肺炎で亡くなった千葉真一(本名・前田禎穂)を「偲ぶ会」が17日、都内のホテルで開かれた。

 発起人には俳優の真田広之や出身地である千葉県知事の熊谷俊人、母校である日本体育大学理事長の松浪健四郎などが名を連ね、会には約250人が参列。俳優の谷隼人や別所哲也、歌手の錦野旦、デヴィ夫人などが姿を見せ、厳かで華やかな雰囲気のまま会は幕を閉じた。

 発起人のひとりが話すには、

「同会はもともと千葉さんの誕生日に当たる今年1月22日に開く予定でしたが、コロナ禍を考慮して延期された経緯がありました。結果的に千葉さんの“一周忌”を兼ねるタイミングでの開催となりました」

 喪主を務めたのは長女で女優の真瀬樹里(47)だが、長男の新田真剣佑(25)と次男の眞栄田郷敦(22)は参列を辞退。実は真剣佑と郷敦が願主となった「一周忌」は19日、都内新宿区の大願寺で営まれる。子供たちが二手に分かれる形で節目の法要が行われるのはなぜか。

一周忌法要が行われる日蓮正宗の寺院

 大願寺は日蓮正宗の寺院で、総本山は富士山の麓に位置する大石寺(たいせきじ)だ。千葉の死後、納骨先の墓をめぐって関係者の間で一悶着が起きた背景にも同寺の存在があった。

「千葉さんは生前、日蓮正宗に帰依し、“自分が死んだら富士山の見える大石寺に骨を埋めて欲しい”と近しい知人らに話していた。しかし初七日法要でも喪主を務めた樹里さんなど一部の親族には周知されていなかったため、死後に突然持ち上がった“大石寺”の話に不信と反発が広がった。結局、樹里さんらの意向を尊重して、遺骨は千葉さんの両親が眠る千葉県君津市にある前田家の墓に納骨されることになりました」(千葉の30年来の友人)

 お墓をめぐる問題はこれで決着したかに見えたが、この間、「後悔の念」を抱き続けた関係者も少なからずいたという。

 大願寺での一周忌法要の実行委員のひとりが話す。

「真剣佑と郷敦も生前、千葉さんが日蓮正宗を信心していたことは薄々知っていました。だから今回、施主となることを承諾したのです。同寺で一周忌を行うのは樹里さんらの意向を覆したいわけでなく、このままだと“千葉さんの遺志がないがしろにされたままになる”との想いからです」(同)

「御授戒」と「御本尊下付願」の証書

 千葉の帰依を証明するものとして、自筆での署名が入った2019年3月11日付の<御授戒>と、同年12月20日付の<御本尊下付願>という書類が存在する。

 御授戒とは日蓮正宗へ入信するための儀式を受けたことを示すものであり、御本尊は「日蓮正宗の場合、南無妙法蓮華経のお経が書かれた“掛け軸”を指す」(同宗関係者)という。その御本尊を納めた仏壇はいまも千葉の君津の自宅に置かれたままであり、それには理由があるとも。

「御本尊は大願寺が千葉さん個人に授けたものであり、他人に譲渡することなどは禁じられています。そのため千葉さんの遺品からも除外された経緯がある。これまでは躊躇ってきましたが、千葉さんの遺志を知ってもらうために御授戒と御本尊下付願の公開を考えています」(同)

 千葉が生前、業務委託していた所属事務所で、前出の偲ぶ会を主催した「アストライア」代表の鈴木哲也氏にこの件を訊ねると、

「“なぜ、今さら……”という思いが拭えません。私はその書類を目にしたことがないので、真偽の判断のしようがない。真意を測りかねると同時に理解に苦しみますが、樹里さんら遺族の意向をまたも無視しようというのでしょうか」

 と困惑を隠さなかった。

 千葉の遺志と遺族の想いの距離を埋める術はあるのか。

デイリー新潮編集部