2月4日、「ダウンタウン vs Z世代」(日本テレビ)の第2弾が、半年ぶりに放送される。第1弾は昨年8月13日に放送され、“ヤバい昭和”を取り上げて大評判となった。それにしても、なぜ2月という中途半端な時期に放送されるのか。
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「ダウンタウン vs Z世代」は、ダウンタウンが率いる昭和世代とZ世代(1990年代半ばから2010年代生まれ)のタレントたちとのジェネレーションギャップを楽しむトークバトル番組だ。昭和にあった当たり前の暮らしぶり(ネズミ捕り、ハエ取り紙、脱水用ローラー付き洗濯機、水銀の体温計、赤チン……)などを紹介し、Z世代から見てアリかナシかを判定するといった内容だった。
これが世帯12・5%、個人8・4%という高視聴率を記録した(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)。
デイリー新潮は「今年の日テレ大晦日は『ダウンタウン vs Z世代』で決まり それでも1つだけ不安が」(22年9月7日配信)で、「笑ってはいけない」シリーズに代わる番組として報じた。ところが、昨年の大晦日に放送されることはなかった。日テレ関係者は言う。
「日テレが『ダウンタウン vs Z世代』を大晦日に放送したかったのは事実です。ところが、ダウンタウンの2人を口説き落とすことができなかったのです」
代わりに放送された「笑って年越し!世代対決 昭和芸人vs平成・令和芸人」は、ナインティナインと東野幸治をMCに起用したお笑い芸人の“世代対決”だった。
ダウンタウンの出ない大晦日
「結果的に、芸人のネタ見せ番組になりました。タイトルに“vs Z世代”とよく似た“昭和芸人vs平成・令和芸人”と打ったのは苦し紛れに過ぎません。日テレとしては、Z世代と昭和の人気タレントたちによるトーク番組を放送したかった。しかし、ダウンタウンがMCを引き受けてくれないことには、同じ企画をナインティナインと東野幸治でやるわけにはいきません。そこで“世代対決”の部分だけ残し、吉本興業にお願いして芸人をできるだけ多くキャスティングした特番を7時間半にわたって生放送したのです」
「笑って年越し!世代対決」の世帯視聴率は、第1部が7・0%、第2部が5・1%。個人視聴率は、第1部が4・7%、第2部が3・3%で、2年続けてテレビ朝日の後塵を拝する形となった。
「そもそも日テレは、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』のコーナー企画だった『笑ってはいけないシリーズ』を、大晦日の年越しスペシャルとして2006年から2020年までの15年間、放送してきました。『NHK紅白歌合戦』の裏で民放No.1の視聴率を取ってきましたが、21年に休止が発表されて以来、その座から陥落することになったのです」
SNS上には「笑ってはいけないシリーズ」を待ち望む声が溢れた。
《笑ってはいけないを大晦日にやってないから永遠に年越しなし》
《笑ってはいけないを見て笑って年越しが大晦日夜の過ごし方だからな…紅白はつまらんし。復活してくれ》
《大晦日ガキ使無かったから、Hulu入って過去の罰ゲーム順番に観てる》
やはりダウンタウンでなければダメなのだろうか。
松本と浜田のトーク
「彼らが出演することで注目度は全く変わり、高視聴率コンテンツになるのです。実際、昨年の『ダウンタウン vs Z世代』は高視聴率でした。企画の良さはもちろんでしたが、なによりも大物となったダウンタウンの2人によるトークに振り切った特番はありそうでなかったからだと思います」
言われてみれば……。
「深夜番組として1989年にスタートした『ガキの使いやあらへんで』は、いまや日テレでは『笑点』に次ぐ長寿バラエティ番組ですが、元々は松本人志と浜田雅功のトーク番組として人気でした。その後、2人がベテランになるにつれ、『ガキの使いやあらへんで』でも2人のトークは減ってしまいました」
そんな中、注目されたのが昨年4月に行われた吉本興業110周年記念イベント「伝説の一日」だった。
「事前からダウンタウンが漫才をするのではないかと言われており、大阪・なんばグランド花月の舞台で31年ぶりとなる漫才を披露すると、大きな話題となりました。吉本には『もう一度見たい!』という声が多く寄せられ、年末年始に期間限定で有料配信まで行ったほどです。だからこそ、2人のトークが主体の『ダウンタウン vs Z世代』は貴重な番組なんです」
「ダウンタウン vs Z世代」の第2弾は、本当なら大晦日に放送したかったが、およそ1カ月遅れの2月4日に。
「日テレは吉本同様、配信も考えていました。グループ会社にはHuluという配信プラットホームもありますから2次収入も期待できる。だからこそ『ダウンタウン vs Z世代』は、昨年の大晦日に放送したかった。ようやく第2弾が放送されることで、今年の大晦日の布石になれば、と期待しているのです」
デイリー新潮編集部