「上皇后さまのたっての思し召しで」

 御代替わりから早や5年。未曾有の災厄となったコロナ禍を経て、令和の皇室は本来のお姿を取り戻しつつある。長らくの懸案だった「情報発信」も望外の成果を上げているところだが、その裏では秋篠宮家の次女・佳子さま(29)の“ご活動”が進行中だといい……。【前後編の後編】

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 さて、そんな佳子さまの“ご身辺”が目下、大いに注視されているという。

「都内霞が関ビルの34階にある旧華族の親睦団体『霞会館』で4月13日、島津家の私的な会合が催されました。当日は上皇ご夫妻や秋篠宮ご夫妻もお忍びで出席されたのですが、その場に佳子さまも同行されたのです」

 とは、皇室ジャーナリスト。島津家は鎌倉時代に発祥し、代々薩摩の地を領有、明治になると公爵に叙せられた名門華族であり、さっそく“お見合い”“婚活”などと報じられたのだった。

「この会合は『錦江会』と呼ばれるもので、コロナ禍前までは定期的に催されてきました。島津家は皇室とも縁が深く、昭和天皇の后である香淳皇后の母親は本家の第29代当主・忠義の娘にあたります。また上皇さまの妹である貴子さんは、分家の佐土原島津家に連なる久永氏と1960年に結婚しています」(同)

 そういった縁もあり、

「上皇さまはご在位中もしばしば錦江会に出席なさっていました。前回のご出席は2018年7月。西日本豪雨災害のさなかであり、会食などは取りやめられ、出席者と短時間の懇談をなさっています」(同)

 今回は、退位されてから初めてのお出ましであった。当日の出席者によれば、

「コロナ禍を受けて会は中断されていたため、今回は久しぶりの開催となりました。島津家の関係者以外にも霞会館の役員に名を連ねる旧華族の当主ら、あわせて100人以上が集いました」

 とのことで、

「上皇さまや美智子さまのご臨席はこれまでも度々ありましたが、佳子さまは初めてのお出まし。主催者である島津家の側から『よろしければいかがでしょうか』と、皇室に願い出がなされたと聞きました」(同)

 が、一方で、さる宮内庁関係者はこう明かすのだ。

「実は、上皇后さまのたっての思し召しもあり、佳子さまのご参加が実現をみたというのです」

「皇室から出ていきたい」

 この関係者が続けて、

「佳子さまは、ご成年の前から一貫して『皇室から出ていきたい』と、強い願望を抱いてこられました。そのお気持ちは、姉の眞子さんが小室圭さんとの結婚で世間からバッシングを受けたことでいっそう高まり、さらには姉に寄り添おうとなさらないご両親への反発と相まってピークに達しました」

 そのいら立ちはメディアへの対応にも表れており、19年3月に大学を卒業された際には、将来のお相手に関する質問に対し、

〈今後も含めお答えするつもりはございません〉

 と、文書回答で一蹴。以降は周囲に“結婚して出ていくしかない”などと、思い詰められたようなご覚悟を口にされるようになったというのだ。もっとも、

「愛子さまが4月初め、ご結婚について文書で『両親のようにお互いを思いやれる関係性はすてきだなと感じます』『一つ一つの出会いを大切にしていきたい』などと丁寧に回答されたことで、図らずも5年前の佳子さまの素っ気ないご対応と、コントラストをなす格好となってしまいました」(同)

“せめて世間からは認められる結婚にしなければ”といったお考え

 お振る舞いがことごとく裏目に出ながらも、眞子さんに倣って“30歳までに脱出”を模索される佳子さま。それでも最近は、姉の結婚を客観的に捉えておられるご様子だといい、

「佳子さまは先の文書回答で『姉の一個人としての希望がかなう形に』と、眞子さんの結婚にエールを送られていました。ですが、皇室の正式な儀式を経ずに出ていったことで、眞子さんは陛下のお心まで煩わせてしまった。いまだに国民から批判的な目で見られている姉の結婚をご覧になるにつけ、ご自身の思いは貫くとしても、“せめて世間からは認められる結婚にしなければ”といったお考えが、佳子さまには少しずつ芽生え始めておられるように拝察いたします」(同)

 折しも国会では、安定的な皇位継承に向けた皇族数の確保策について各政党の見解が出そろい、まもなく議論が本格化する見通しである。21年末に政府の有識者会議が示した2案のうち、「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する」との案は各党が容認しており、議論の展開次第では佳子さまの将来のご身分も大いに異なってくる。

「こうした法案が整備される前に皇室から出ていきたいと佳子さまが切望されているのは言うまでもありませんが、かといって姉の二の舞だけは避けねばならない。従ってお相手選びも、おのずと慎重にならざるを得ないのです」(同)

 そんな中での「錦江会」ご出席だったわけだが、

「思案に暮れる佳子さまのお姿を案じられた上皇后さまが『世の中にはこういう選択肢もあるのですよ』と、状況を冷静にご覧になるよう手を差し伸べられたのだといわれています」(同)

 もとより上皇后さまは、

「初孫である眞子さんの内親王としての仕事ぶりを絶賛されており、さらなる飛躍を期待なさっていました。それが一転、あのように不本意極まりない形で皇室離脱を余儀なくされたことで、大いに落胆なさっていた。上皇后さまは、佳子さまには絶対に同じ轍を踏んでほしくないと強く願われているのです」(同)

メガバンク勤務の1歳年上の男性

 実際に、“婚活”へと踏み出された佳子さまのお相手として浮上しているのは、

「島津家のうち、香淳皇后の祖父にあたる忠義の父・久光を祖とする分家『玉里島津家』の家系には、佳子さまより1歳年上の男性がいます」

 とは、霞会館の関係者。

「初等科から中、高と進んで学習院大法学部を卒業した彼は、メガバンクに勤務しています。学生時代にはゴルフ部に所属し、現在もOB会や学習院の同窓会『桜友会』の役職に就くなど、母校と密に関わっています」(同)

 本人のものとみられるフェイスブックには、おどけた表情の写真が掲載されており明朗な人柄がうかがえる。

先の霞会館関係者は、

「佳子さまのご出席が報じられたこともあり、出席者には『会については一切口外しないように』というメールが送られてきました」

 そう明かしながら、

「今年は霞会館の前身である華族会館が創立されてから150周年の節目で、6月には都内で大々的に祝賀会が催されます。これまで120年や130年、そして140年の式典には上皇さまご夫妻が出席され、さらに140年の時は秋篠宮さまご夫妻もお見えになりました。今回も、皇室からご臨席を賜る予定です」

将来のお相手探しが念頭に?

 ちなみに佳子さまのお相手に擬せられたメガバンカーも当日は出席予定だというから、再び注目が集まるのは必至であろう。皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授が言う。

「島津家の会合に秋篠宮ご夫妻が出席されたのは、旧華族との人脈づくりという側面もあるでしょう。会には他の名家も参加していたはずで、29歳の佳子さまがお出になったのは、やはり将来のお相手探しが念頭にあったからと思われます」

 そうしたお相手について宮内庁OBで皇室解説者の山下晋司氏は、

「旧華族の人たちも一般国民ですが、皇室との関係の近さから皇室をよく知っており、理解もあります。また一般の人から特別な目で見られる点では、皇籍離脱した元皇族と通じる部分もあります。そういった価値観の近さから、皇族と結婚した人も多くいます。皇室からすれば、霞会館はお相手と知り合える場のひとつといえます」

 前編では、フォロワー130万人突破と好調な宮内庁のインスタグラムへの“ある懸念”について報じている。

「週刊新潮」2024年5月16日号 掲載