SNSの投稿がトラブルにつながる例は少なくない。だが北海道留萌(るもい)市の高校生、村山月(るな)さん(17)が殺害された事件の容疑者は、因縁をつけること自体が目的だった。要は“当たり屋”のようなものである。

 今月12日、村山さんを殺害したとして北海道警が逮捕したのは、内田梨瑚(りこ)容疑者(21)と、A子容疑者(19)=仮名=だった。両容疑者はともに旭川市在住、無職だ。

 道警担当記者によれば、

「両容疑者は、今年4月19日の午前3時半から4時ごろにかけて、旭川市にある渓谷『神居古潭(かむいこたん)』の神居大橋から村山さんを11メートル下の石狩川に突き落とし、溺死させたとされます」

今回が初めてではなかったSNSでのトラブル

 村山さんとは、犯行直前に初めて対面している。

「前日の18日、村山さんのSNSに自身の写った画像が無断転載されていることを知った内田は、SNSの通話機能などで村山さんを脅しました。解決金として電子マネー10万円分を送金させようとしたものの受け取れず、留萌市の道の駅に呼び出したのです」

 内田容疑者はこのとき、A子容疑者と、知人の少年と少女の二人(16)に手伝わせ、村山さんを車に監禁。

「60キロほど離れた旭川市まで連れてきた。道中寄ったコンビニで逃げようとした村山さんに暴行を加えてもいる。挙げ句、夜中は人も車も通らない神居大橋で命を奪ったわけです」

 残酷極まりない犯行を主導したとされる内田容疑者。実は、そのきっかけとなった他人のSNSへの因縁は、今回が初めてではなかった。

さんろく街

 内田容疑者を知る女性が明かす。

「梨瑚はいつも金欠で、複数の知り合いから数万円、十数万円単位の借金をしていました。無職なのに、旭川の繁華街『さんろく街』で飲み歩いていましたから。返済をめぐっては、何件かトラブルにもなってた。その解決と自分の稼ぎのため、梨瑚はSNSの投稿内容をもとにして恐喝を繰り返していました」

 手口は村山さんのケースとほぼ同じで、

「知人やその知り合いのSNSの内容に、“言葉の使い方に気を付けろ”といった難癖をつける。で、“許してほしければ現金をよこせ”と呼び出すのです。彼女が恐喝でいくら手に入れたかは分かりませんが、お金を貸したままの人は何人もいます」

次第にさんろく街に染まり…

 別の知人もこう語る。

「梨瑚は中学時代にはバスケ部で頑張ってたし、高校を出たあとも化粧品販売やお父さんの会社、飲食店などと転々としたけれど、仕事をしようとしてはいた。ですが次第にさんろく街に染まり、ワルになった。地元のガラの悪い男たちとも近しくなり、今回のA子を“舎弟”と呼んでいたように、年下の子ばかりを連れ歩くようになったのです」

 内田容疑者の自宅は旭川駅から車で15分ほどの住宅街にある一軒家。両親と20代半ばの兄との4人暮らしだ。父親は建設関係の会社を営み、母親は飲食店勤務。冬のあいだ、父親と父親の会社に勤める兄は、雪のない地域へと仕事に出かけることが多い。

 内田容疑者がSNSで当たり屋稼業をしていたことを、村山さんのご遺族が知ったら……。その無念は察するに余りある。

「週刊新潮」2024年6月27日号 掲載