秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭さんが年内に入籍、米国で生活を始めると報じられた。名古屋大大学院の河西秀哉准教授はこの報道をどのように見たのか。

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 今回のご結婚では「納采の儀」などの儀式は行わず、「一時金」も辞退されると報じられています。これは「フルスペック」の皇族の結婚ではないことを意味し、眞子さまは極めて異例なプロセスで皇室を離れることになります。

 皇室は時代の流れを考慮しつつも、儀式など伝統を大切にする姿勢を国民に見せてきました。納采の儀を行わなければ、皇室の存在意義が損なわれ、将来的に国民の皇室離れにつながりかねません。

 もっとも、秋篠宮さまは二人の結婚に批判的な国民感情に配慮し、儀式を行わないとしたのだと思います。秋篠宮さまは国民から広く祝福されなければ正式な婚約はできないと考え、小室圭さんに国民への丁寧な説明を求めてきました。しかし、今もそうした現状とは言い難く、しかも秋篠宮さまは現在、皇嗣という責任ある立場にいます。納采の儀を行えば、国民の目には「皇室が諸手を挙げて二人を祝福している」ように見える。秋篠宮家だけでなく、皇室全体への批判が高まる可能性があります。

 一時金の受け取りを辞退する意向を眞子さまが示されているのも、金銭トラブルの解決金に一時金を充てるのでは、という批判を回避するためでしょう。「私は彼が好きだから結婚する」と仰りたいのだと思います。

 秋篠宮さまは子供たちの自由を尊重して育ててきました。そこで親としては結婚を認めるが、「皇嗣」としては結婚を認めない――。その思いの表れが「儀式を行わない」ということだった。

 ところが、国民の目には父と娘の「私」を巡るケンカと映っていました。上皇上皇后ご夫妻の被災地訪問を見てもわかるように、皇室は「私」よりも「公」を重視し、「滅私奉公」とも言うべき姿勢が国民の信頼を得てきましたが、一連の騒動で秋篠宮家の「私」を優先する姿勢が皇嗣の威厳を傷つける結果となりました。

 国民は今後、皇族の結婚相手に一層の清廉(せいれん)さを求めることとなるでしょう。ハードルが一段と上がり、悠仁さまのご結婚相手もなかなか決まらなくなるのではないか、と危惧しています。

「週刊新潮」2021年9月16日号 掲載