秋篠宮家の長女・眞子さま(29)との婚約が内定している小室圭さん(29)が、留学先のニューヨークでロン毛になっていた──。フジテレビのスクープに、衝撃を受けた方も多かっただろう。

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 ニュースサイト「FNNプライムオンライン」は9月24日の午前9時、「【独自】小室圭さんをニューヨークで直撃 一時帰国直前に“長髪姿” 婚姻届提出へ」の記事を配信した。

 反響は大きかったに違いない。同じ日の午後8時31分には改めて「【独自】長髪をポニーテール結び…帰国直前の小室圭さんニューヨークで直撃 眞子さまとの新生活どうなる?」の記事もアップした。そこには、次のような記述がある。

《黒いスーツに身を包み、記者の問いかけには答えず、前を向いてマンハッタンを歩く小室さん》

《印象的だったのは小室さんの髪型だ。黒髪のロングヘアを後ろに結びポニーテールのようにしていて、以前とは違った印象》

 これでも抑え気味の表現と言っていい。要するに、ロン毛の兄ちゃんがポケットを手に入れ、記者の問いかけを無視して歩き続けたのだ。他社の記事には、もっとストレートに違和感を表明したタイトルも少なくない。

▽「小室圭さん、ロン毛束ねポケットに手を突っ込んだままの取材対応映像にネット騒然『風貌も態度も別人』『とても不快な気分に』」(中日スポーツ:9月24日)

▽「小室圭さん、ロン毛ポニーテールに 風貌の変化にネット騒然『チャラくなってる』」(JCASTニュース:同日)

▽「小室圭さんの『侍ヘア』が大反響、デーブ・スペクター『輪ゴムでポニーテール。バンドやろうぜ感』」(よろず〜ニュース:同日)

「人は見た目が9割」

 Twitterを検索しても、やはり異論は多い。

《なにもこのタイミングで変なロン毛にして悪目立ちしなくてもいいのに》

《謎ヘア、手ポケ、ガン無視 これが弁護士様になるのかそうか》

《どんどん皇室的なものから離れちゃってるな》

《ヤフコメで一寸法師みたいな髪型だなっての見て吹き出しそうになった》

 100万部突破のベストセラーとなった、竹内一郎氏の著書『人は見た目が9割』(新潮新書)の冒頭、「はじめに」には次のような記述がある。

《交渉ごとなどで、初対面の相手であっても、見た瞬間に「この案件は上手くいくな」「これは駄目かも」など、直感的に分かることが多い》

 そしてこんな一節も。

《男が美人に、女が二枚目の男に一目惚れをする。相手の性格やその他の要素は一切関係ない恋は存在する。恋のただ中にいる人間にとっては、白も黒になるのである。正邪の判断が狂うことも珍しくはない》

無防備だった小室さん

 著者の竹内一郎氏は、演劇の世界で活躍。漫画の原作も手がけ、『哲也〜雀聖と呼ばれた男〜』(週刊少年マガジンコミックス)は人気作となり、講談社漫画賞(少年部門)も受賞した。

 2005年「非言語コミュニケーション」についてまとめた著書『人は見た目が9割』を上梓した。

 同書で言うところの「見た目」とは「顔の美醜」のことではなく「言葉以外の情報=非言語情報」の総称を指している。しぐさ、癖、ファッション、声色、間の取り方等々。もちろん髪形も含まれるのは言うまでもない。

 現在の竹内氏は宝塚大学教授でもある。今回の報道についての感想を尋ねると、「本来、小室さんが髪型を“ポニーテール”にするのは、全くの自由であるはずです」と話す。

「とはいえ、小室さんは数日後に帰国し、眞子さまと記者会見に臨むと報じられています。人生の一大事と言うべきイベントです。日本のマスコミが狙っていることも、彼の経歴や知性を考えれば、事前に予測しておくべきだったと言われても仕方ないでしょう」

 あまりに小室さんは無防備だった。文字通りの“素顔”をフジテレビに撮影されてしまった。竹内氏は今回の報道を見て、小室さんは“公と私”の意識が乏しいと感じたという。

公人か私人か

「言うまでもなく小室さんは民間人です。眞子さまも結婚されれば、降嫁(こうか)して皇室を離れます。ご夫婦としては“私人”なのかもしれませんが、眞子さまだけでなく小室さんも、結婚によって皇室と縁続きの立場になります。本来なら“公人”に準じた立ち居振る舞いが求められますし、国民もそれを期待しているはずです」(同・竹内氏)

 日本国首相の髪型がポニーテールになったと仮定してみよう。これも自由ではあるが多くの国民が違和感を持つ可能性は高い。

 小室さんの髪型も、それと同じ類の話なのだろう。首相は当然ながら公人であり、小室さんもいわば“準公人”の要素を持つ。

「繰り返しますが、私人ならどんな髪型をしても自由です。しかし国民は小室さんを完全な私人だとは思っていません。そしてあの長髪から、『結婚すると皇室と縁続きとなり、公人に近くなる』という覚悟を、小室さんが持っていると受け止めるのは難しかったのかもしれません。逆に『自分は私人=民間人なのだから、どんな髪型でも構わないはずだ』という、一般的な常識に逆らうかのようなメッセージを発しているように見られてしまいました」(同・竹内氏)

違和感の源泉

“公と私”という問題は、これまで眞子さまに関して論じられてきた。世論調査では、少なくとも国民の半分が、結婚に反対している。にもかかわらず、眞子さまは躊躇なく結婚話を進めてきた。そこに少なからぬ識者が懸念を表明してきた。

 国民と共に歩む皇室という“公人”の気構えは感じられない。「私が愛する男性と、どうしても30歳までに結婚する」という“私人”の意識しか伝わらないという議論だ。

「小室さんは司法試験に忙殺されていました。ひょっとすると理髪店や美容室に行く時間もなかったのかもしれません。とはいえ、彼の『見た目』に国民が強く反応したのは興味深いものがあります。何しろ小室さんは重要な会見を目前に控えています。本来なら、多くの人が好感を持つような清潔感のある『見た目』にするなど、様々な準備を行っていて当然の時期だと捉えられたのでしょう」(同・竹内氏)

 しかし、フジテレビのカメラが捉えたのは、少なくとも清潔感のある「見た目」ではなかった。相当数の国民が違和感を覚えるようなロン毛だった。

文書より長髪

「あのヘアスタイルに疑問の声が相次いだのは、結婚を目前にした“真摯な姿勢”が感じられないと受け止めた人が多いからです。この不信感に会見の問題が加わると、『あんな突拍子もない髪型をして、果たして小室さんは会見で金銭トラブルなどについて誠実な説明を行うだろうか』という不安が生まれます。小室さんがどうしてヘアスタイルを長髪にしていたのか、今のところ本当の理由は分かりません。とはいえ、非常に誤解を招く『見た目』であるのは間違いありません」(同・竹内氏)

 結局、今回の髪型問題で、またしても小室さんは国民の“不信”を招いてしまったことになる。

 竹内氏は「報道を見ながら、今年4月に小室さんが発表した文書を思い出しました」と言う。

「A4の紙で20枚を超えるとも報じられた大量の記述は、言語情報という観点からは非常に論理的で、説明を尽くそうという意欲が感じられました。ところが、どれだけ言葉という言語情報を積み重ねても、『見た目』という非言語情報の伝達力には敵わないことが往々にしてあるのです」(同・竹内氏)

「立場が人を作る」

 いわゆる“小室文書”では、自身の潔白を証明しようと多くの言葉が費やされた。しかしながら、国民の多くは納得しなかった。それは、あの文書に書かれた言葉そのもの以外のところ、「非言語情報」から何かを感じた人が多かったということだろう。

 いや、納得ではなく信用しなかったと言う方が正確かもしれない。その一方で、小室さんの長髪という「見た目」がテレビで放送された瞬間、少なからぬ国民は「やっぱり小室さんは眞子さまの結婚相手として相応しくない!」と反応した。これこそ「人は見た目が9割」の好例ということか。

「皇族の姿を目にした庶民は、誰もが『気品をお持ちだ』と心を動かされます。これは『立場が人を作る』からです。活躍しているアスリート、連勝を続ける棋士、業績を伸ばしている経営者といった人々が往々にして魅力的な表情をしているのも同じ理由からです」(同・竹内氏)

 残念なことに、小室さんの見た目はそう受け止めてもらえなかった。竹内氏は、ここに「国民不安の象徴」を見出すという。

小室さんと気品

「国民は歴代の天皇陛下や皇族の方々の表情に、ある種の共通性、連続性を感じ取っています。これを気品と言うことは可能でしょう。たとえ女性皇族と結婚する民間の男性であっても、国民は似た雰囲気を求めるものです。しかし率直に言って、今回の小室さんに気品を感じる人は少数派だったように見えます。Twitterで髪型に関する異論が噴出したのも、要するに『皇室と縁続きになる男性として相応しい見た目ではない』と考えている人が多いからでしょう」(同)

竹内一郎(たけうちいちろう)
1956(昭和31)年福岡県久留米市生まれ。劇作家・演出家。横浜国大卒。著書に『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』(サントリー学芸賞)、近刊に『あなたは何故誤解されるのか 「私」を演出する技術』(新潮新書)

デイリー新潮取材班

2021年9月26日 掲載