エース阿部アナの投入も

 NHK「ニュース シブ5時」の打ち切りが決まった。一方で平日のみの「ニュースウオッチ9」は、土曜にも放送することが固まりつつある。いずれも、みずほフィナンシャルグループのトップを経験した前田晃伸会長の意向を受けてのことだという。一体、会長の真意はどこにあるのか。

 まずは、「ニュース シブ5時」(月〜木の16:50 - 18:10)について。生放送による報道・情報系番組で、2015年3月に放送が始まった。

「番組は、ニュースをわかりやすく、暮らしに役立つ情報も丁寧にというスタンスで6年続いてきました。もちろんこの時間帯の民放各局の『ワイドショー的なニュース』に比べれば地味ですが、裏返せば安定感があったと思います」

 と、NHK局員。昨年春の改編では阿部渉アナを投入し、番組のさらなる充実を図ってきた。

「阿部氏は『ニュース7』、『おはよう日本』、『ごごナマ』のキャスターや『紅白歌合戦』の司会を7度務めるなど、武田真一氏(元『クローズアップ現代』)、有馬嘉男氏(元『ニュースウオッチ9』)と並んで男性の看板アナです。『酒は好きだけど飲まれるタイプ』という評はあるもののエースですし、“彼を起用するくらいだから番組も気合が入っている”というのが局内外の評価だったのですが……」

和久田アナのことがお気に入り

 この打ち切りの判断は、2020年3月に就任した前田晃伸会長の意向が強いという。

「会長は独自色を出すのが割と好きで、例えば若手の管理職を抜擢し地域放送局の局長に当てる人事などを進めてきました。今年6月の人事で12人の若手が局長に選ばれましたが、これまでより平均で10歳以上若返っていますね。もちろんこれについては評価する声もありますが、それはともかく今回の打ち切りについては、『ニュースウオッチ9』(平日21:00〜22:00)と関係があるんです」(先の局員)

 どういうことなのか?

「会長は、『ウオッチ9』でキャスターを務める和久田麻由子アナを高く評価し、大のお気に入りだということです。そして政治部出身の正籬(がき)聡副会長がそれを忖度し、『ウオッチ9』の土曜への拡張を進めていると聞いています。その理由について、“テレ朝の『報ステ』も週末にやっているでしょう”と説明をするそうですが、副会長の顔には“会長に言われちゃってさ……”と書いてあるように受け取れると言います」(同)

「シブ5時」の終了と「ウオッチ9」の拡張は来春に予定されているという。和久田アナへの偏愛の割を食って、「シブ5時」は打ち切りが決まってしまった格好だ。さらに、和久田アナが土曜も出演となれば、おせっかいながら体調管理も気になるところだ。

政治部や社会部などの廃止を目論む

「前田会長の任期は2023年3月まで。折り返し地点を過ぎました。1期のみと決めているフシがあり、矢継ぎ早に自身の考えを実行に移している印象です。NHKや所管する総務省に睨みをきかせてきた菅義偉前首相との関係が悪くないことも奏功していますね」(同)

 前田会長はさらに報道局をターゲットにし、傘下の政治部や社会部などを廃止することまでも目論んでいるという。

「制作チーム・ユニット制に移行し、職員の等級制をなくして管理職を減らすことで経費節減を狙っているようですが、主に政治部がかなり抵抗を続けており、予断を許さない状況です」(別の局員)

 折しも、会長の古巣、みずほフィナンシャルグループは度重なる大規模システムの責任を取って、首脳陣が総退陣したばかりだ。

「前田会長がみずほのトップ時にシステム障害が始まり、それが今に至るまで改善できないままだということで、会長のことは局内の一部で『禍根を残す男』と呼ばれています」

 疫病神のように扱われる会長と茶坊主然とした副会長コンビに、アンチの動きも活発化しているという。

デイリー新潮編集部