山口県阿武町の誤振込み騒動で仰天情報である。町からの返還要求を拒み続けていた24歳男性が、弁護士や警察に対し「すべてオンラインカジノで使い果たした」と話しているというのだ。現地取材では、男性について「パチンコ狂いで1日数万円使っていた」という証言も出てきた。だが、本当に、わずか2週間で、4630万円をギャンブルで消費することは可能なのか。専門家や愛好家に話を聞いた。

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かつて把瑠都も広告塔に

 オンラインカジノとは、文字通り、オンライン空間に構築されたカジノである。まず、プレイヤーは、銀行振込などでカジノ側に入金。すると、サイト内に入金額が反映され、バカラ、ブラックジャック、ルーレット、ポーカーなどのギャンブルをリアル空間のカジノ同様に楽しむことが可能となる。

 一部の外国では、オンラインカジノにも公式ライセンスが与えられ、イカサマなしのフェアなギャンブルが行われているとされている。だが、実は、賭博が禁止されている日本においても、海外のサーバーにアクセスすることで、プレイすることが可能だ。

 実際、ネットで調べると、いくつものオンラインカジノが日本語で案内されている。日本の有名セクシー女優などが広告塔になっているケースも多く、いまは契約を打ち切ったようだが、かつて日本の大相撲で活躍した把瑠都もオランダ領キュラソーのゲーミングライセンスを保持するBというカジノのアンバサダーとして活動していた。

ポーカーブームで愛好家が急増

 もちろんオンライン上であろうとも違法行為である。だが、海外のサーバーを挟んでいることから、「グレー」とされているのだ。国際カジノ研究所所長の木曽崇氏が語る。

「日本人プレイヤーが警察に摘発された前例もあり、罪を認めた人は略式起訴されています。ただ、認めず争う姿勢を示した人は、不起訴処分になっている。プレイデータはすべて海外側にあるため、有罪にする証拠が集めきれないのです。そんな事情もあり、オンラインカジノは事実上、日本では黙認されているとされ、野放し状態となっているのが現状です」

 最近では、若者たちの間でテキサスホールデムポーカーが大流行し、罪の意識が希薄なまま、オンラインカジノで遊ぶ愛好家が急増中だという。一方で、トラブルも多く報告されている。

「出金トラブルです。賭博が違法である日本から、直接、カジノにクレジットカードや銀行振込ができないため、インターネット決済サービス機関を挟む必要があります。問題は出金。高額を稼ぎ出しても、何カ月も待たされた挙句、お金が帰ってこないという被害が多数報告されています」(同)

パチンコ狂

 では、実際、24歳男性はどのようなゲームをしたと考えられるのか。愛好家は、

「ポーカーではないと思います。高額なレートだったとしても、短時間で消費しづらいゲーム性だからです。考えられるのは、バカラ、ブラックジャックあたりでしょう。一回のゲームが、1分もかからない丁半博打ですから、1ベット100万円などを繰り返していき、取り返そうと熱くなって、すっからかんになることは決して不思議ではない」

 週刊新潮取材班は、男性の知人から「ギャンブル狂だった」という証言も得た。

「パチンコ屋に毎日のように通っていた。金遣いが荒くて、1日数万円使っていた」

 被害にあった阿武町関係者は「返還しなければならないカネだということはわかった上で、お金を増やしてから戻そうと考えていたのではないか」と推測する。一方で、「使ったことにして、どこかに隠し持っているのではないか」(地元記者)という疑念の声も少なくない。いったい真相はーー。

 5月19日発売の「週刊新潮」では、男性の故郷である山口県山口市の実家周辺や小中学校の同級生などを総力取材。人里離れた「限界集落」での暮らしぶりも含めて、「公金持ち逃げ事件」の全貌を詳報する。

デイリー新潮編集部