週刊新潮の6月23日号と30日号に、皇宮警察の問題点を告発する特集記事が掲載され、話題を呼んでいる。まず、記事タイトルからご紹介しよう。

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◆「天皇・皇后」警護の要が内部崩壊 皇族への「悪口」はびこる「皇宮警察」(6月23日号)

◆No.2が「秋篠宮」に謝罪 皇族に悪口三昧「皇宮警察」で隠蔽された「中国人皇居侵入事件」(6月30日号)

 23日号の記事では、愛子内親王殿下や雅子皇后、秋篠宮家の紀子妃など皇族の方々に対し、皇宮警察の職員が日常的に陰で“悪口”を言っている事実を明らかにした。

 更に、上層部が人事を“私物化”。感情的な好き嫌いで部下の配属先を決め、意に沿わない護衛官は冷遇の上、退職させるため狙い撃ちにするという実情も明かされた。

 翌週の30日号の冒頭では、週刊新潮の報道が皇宮警察と皇居内部に衝撃を与えたことが紹介された。《さる皇宮警察関係者》の証言から記事の一部を引用しよう

《「前の日の水曜日には記事の内容が出回っていて、内容を把握した警察庁キャリアである片倉秀樹・皇宮警察副本部長が、ことの経緯を説明した上でお詫びするため、いち早く秋篠宮邸に参じていました」》

《説明をお聞きになった秋篠宮さまは、ご不快の念を隠せないご様子だったといい、「これと並行して、両陛下はもちろん他の宮家への“お詫び行脚”もなされていると聞いています」》

不祥事のイメージ

 他にも、定員増を実現するため皇宮警察が内閣人事局に“虚偽説明”を行った問題や、2020年に中国人男性が1時間にわたって皇居に侵入、宮内庁庁舎の地下にある食堂で昼食までとったという警備ミスがあったことなどを伝えている。

 皇宮警察について取材経験のある記者が言う。

「週刊新潮の23日号に《皇宮警察と言えば、不祥事が頻々と報じられる組織、とのイメージをお持ちの方も多かろう》とありますが、まさにその通りです。特に注目すべきは、定員が少ないにもかかわらず、不祥事は多いということです」

 週刊新潮は《定員は1000人未満》と記している。様々な資料を見ると、定員が900人から1000人の間なのは間違いないようだ。

「それほど小さな所帯なのに、頻繁に不祥事が報道されています。更に週刊新潮の報道で、皇宮警察には隠蔽体質があることもはっきりしました。実は、もっと不祥事が存在するのではないかと疑ってしまいます」(同・記者)

「住所不詳」の護衛官

 では、報じられた不祥事を具体的に見てみよう。例えば、今年2月9日、警視庁捜査3課は、皇宮警部だった40代男性を窃盗の疑いで逮捕した。

 東京・上野のパチンコ店で、男性客2人のジャケットを盗んだという容疑だった。目を引いたのは、この皇宮警部の住まいが「住所不詳」と発表されたことだ。

「この警部は競馬で多額の借金を作り、2021年頃からカプセルホテルを転々とするような生活だったそうです。犯行は1月1日のことで、防犯カメラの映像などで容疑者として浮上。盗品は近くのリサイクルショップで売られていたことも明らかになり、逮捕されました。警部は4月に辞職しています」(同・記者)

 仮にも警察官なのだから、防犯カメラのことを知らなかったはずはない。それだけ借金で追い詰められていたのだろうか。

 週刊文春(21年2月11日号)は「皇宮警察・京都護衛署長が“重婚”トラブル 秋篠宮が『大仏』と呼ぶエリート」の記事を掲載した。

「皇宮警察の幹部で当時59歳の署長が、妻がいたにもかかわらず別の女性と数年間、事実婚の関係を続けていた、という記事でした」(同・記者)

未成年飲酒

 文春の報道に皇宮警察も対応、新聞各紙に処分を伝える記事が掲載された。ここでは読売新聞の「赤坂御用地内に交際女性入れる 京都護衛署長を処分」(21年2月20日朝刊)からご紹介しよう。

《皇宮警察は19日、京都護衛署長のA警視正(59)(註:記事は実名報道)を減給6か月の懲戒処分とした。A警視正は同日付で依願退職した。》

《警視正は赤坂護衛署副署長だった2017年2月、天皇ご一家らの住まいのある赤坂御用地(東京都港区元赤坂)に知人女性を正規の手続きをせずに招き入れた。この女性を含む2人と不適切な交際をしていたことも処分理由とされている。》

 NHKは20年3月10日、「皇宮警察で未成年飲酒・入浴のぞき見 幹部や護衛官ら30人前後を処分へ」と報じた。衝撃的なニュースとして、ご記憶の方も多いだろう。

《関係者によりますと、去年(註:2019年)6月、実習先だった栃木県の那須御用邸の敷地内にある施設で行われた懇親会など、この1年間、校長や教官、それに、新任の護衛官らが同席する場で、未成年による飲酒が繰り返されていたということです。》

数々の不祥事

《那須では、男女4人の護衛官が酒を飲んだあと、みだらな行為に及んでいたこともわかったということです。》

《皇宮警察本部では、天皇ご一家の護衛にあたる男性護衛官が、先月(2月)、スキーの訓練のため新潟県に出張していた際、宿泊先で入浴中の同僚の女性護衛官をのぞき見していたこともわかりました。》

 皇宮警察は職員を管理できていない──呆れた人は多かったのではないか。皇宮護衛官に高い倫理観が求められるのは言うまでもない。

 新聞で報じられた皇宮警察の不祥事はまだまだある。記事を引用してみよう。

◆元警察官2人を略式起訴 児童ポルノ所持(朝日新聞・18年1月26日朝刊)
《児童ポルノを所持していたとして、東京区検は25日、警視庁の元警部補(39)と皇宮警察本部の元巡査部長(32)の男2人を児童ポルノ禁止法違反(単純所持)の罪で略式起訴し、発表した。》

◆皇宮警察官、盗撮疑い 更衣室侵入し書類送検/京都府(朝日新聞・17年12月22日大阪地方版)
《京都御苑(上京区)にある皇宮警察京都護衛署の女子更衣室で盗撮したとして、府警は21日、同署の皇宮警部補(42)を軽犯罪法違反(のぞき)と建造物侵入の疑いで書類送検した。》

◆皇族護衛の帰路、新幹線に無賃乗車 皇宮警察警視を処分(朝日新聞・05年9月30日朝刊)
《皇宮警察本部は29日、愛知万博(愛・地球博)を訪れた皇族を護衛したあと、帰京時の新幹線で無賃乗車したなどとして、護衛部の警視(53)を戒告処分にした。警視は同日、依願退職した。》

過去にも隠蔽疑惑

◆警部補が下着ドロ、巡査長はビデオ盗 皇宮警察が懲戒処分(読売新聞・04年8月6日朝刊)
《皇宮警察本部は五日、女性職員の下着を盗んだとして、坂下護衛署の警部補(45)を停職六月の懲戒処分にした。また、都内の個室ビデオ店からビデオテープを盗んだとして、吹上護衛署の巡査長(31)も停職一月の懲戒処分にした。二人は同日付で依願退職した。》

 実は、週刊新潮が皇宮警察の問題点を指摘するのは、今に始まったことではない。例えば2007年にも、

◆「皇宮警察」が必死で隠蔽する「乳もみセクハラ」事件(4月26日号)

◆「不審男の御所侵入」「散弾銃の弾丸」「自転車泥棒」 3つの不祥事を隠蔽している「皇宮警察」(5月3・10日号)

と、2つの記事を掲載している。

 5月3・10日号に掲載された特集記事では、なぜ皇宮警察で不祥事が頻発するのか、関係者に取材している。その中から皇宮警察幹部のコメントを最後にご紹介しよう。

「嫉み、僻みが渦巻く組織」

《「皇宮警察というのは、18歳のときに巡査で入って40年、二十数人の同期と一緒に、同じ職場でずっと働き、同じ三番町の官舎でずっと生活していかなければならないのです。皇宮警察は他の警察のように所轄を異動することもない、とりわけ閉鎖的で特殊な社会です。同期の中でも、巡査部長や警部補止まりで一生、立番で過ごす人もいれば、ノンキャリアでもトップの護衛部長になり、警視正や警視長にまでなる人もいる。すると、官舎で“あの人はあの年になっても立ちっぱなしなの”と陰口を叩かれ、子供は苛められます。妬み、僻みが渦巻く組織です。ストレスが溜まるのは当たり前でしょう」》

デイリー新潮編集部