山上徹也容疑者(42)の母親はこれまでメディアに姿を見せず、黙して語ってこなかった。その彼女の近しい関係者はひと月前、こう語っていた。「国葬のあたりがタイミングだ」と。

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 母親は事件直後に、奈良市内の自宅を脱出。大阪府内に住む義兄、すなわち山上容疑者の伯父の元に身を寄せていた。

「ですが、統一教会を巡る見解の相違から彼女は徹也君の伯父と言い争いになり、8月上旬にその家を出ています」

 とは、山上家を知る奈良市内の教会関係者。

 以来、彼女は統一教会奈良教会の元教会長の庇護下にあるという。

「母親が過度の献金で子供らや伯父ともめた際、元教会長は彼女の相談相手でした。そういうこともあり、彼女は彼を信頼しているんです」

 その元教会長は8月、母親が気持ちを述べる機会がいつ頃になるのかについて、本誌(「週刊新潮」)の取材に次のように語っていた。

「国葬のあたりがタイミングだと思います。その頃に何らかの発表をするか、あるいは実際に安倍さんに手を合わせたいという話もしています」

「特に準備できたものがない」

 先の教会関係者が明かす。

「コメントを出したいというので、私、原案を作成したんです。昭恵夫人をはじめとしたご遺族への謝罪に加えて、彼女がどのような経緯で教会に多額の献金を行い、子供らにどういう迷惑をかけたのか、という内容です。彼女がそれに目を通し、元教会長がさらに手を加えて発表する予定だったんですが……」

 そこで今回、元教会長にも改めて話を聞くと、

「特に準備できたものがないので(記者会見やコメントの発表は)やらない」

 という答え。では、この間、彼女がコメントの文面を仕上げる代わりに、何をやっていたかといえば、

「引っ越し作業です。彼女は事件後、仕事にも行けておらず、家賃の支払いもままならない。それで、もともと暮らしていた奈良市内の自宅を引き払わざるを得なくなったようなのです」(前出・教会関係者)

家賃の減額

 母親に一軒家を貸していた男性の話。

「彼女はあそこの家に17年間、住んでいたんやけど、いつだったか数カ月間、家賃を滞納したことがあってな。それで本当は7万円だった家賃を、5万円に減額してあげたんやけどね。事件の後、彼女が統一教会に多額のお布施をしていたって知って。そんなお金があるなら、なんで自分に家賃を支払ってくれなかったんやろな、とは思います」

 さらに、嘆息しながらこう続ける。

「本当は8月末に出て行く予定やったんやけど、引っ越しが間に合わないってなってな。それで結局、9月15日に出て行ったんや。自分にはあいさつの一つもなかったし、逃げるように出て行って。彼女が“迷惑をかけました”って言う相手は教会だけなんやろ」

 一方で彼女は、ご近所さんの4軒にだけは、ささやかながらあるお礼の品を贈っている。

「2週間くらい前やな。背の高い男性がワゴン車で来て、引っ越しの作業を手伝ってたわ。最後、母親があいさつにも来て“いろいろ、ありがとうございました”って、なんや、食器用の小さな洗剤を置いていった」(近隣住民)

 一連の出来事を洗い流してしまいたいとでも思ったのだろうか。

「週刊新潮」2022年10月6日号 掲載