取引の立会人

 在ケニア日本大使館のHPには、〈金取引詐欺の悪質・巧妙化傾向に対する注意喚起〉が掲載されている。政府関係者や弁護士などを名乗り、買い手側の信頼を得たうえで、手数料や税金といった名目で現金を詐取するのだとか。それと瓜二つの金取引詐欺をケニアの隣国、タンザニアで実践したのが自民党の山崎拓元副総裁と昵懇の「女詐欺師」だった。

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 彼女は、かつて米倉涼子と不倫関係に陥った「覚醒剤オトコ」と結婚。二瓶絵夢(にへいえむ)から清水絵夢、さらに、森絵夢と名を変えていた。

 その夫婦に騙された都内在住の不動産業者が、「週刊新潮」2022年11月24日号「MONEY」欄に続けて告発する。

「契約済みの金600キロのうち、初回トライアルとして金25キロを日本に持ち込むため、タンザニアに赴いたのは今年4月下旬です。森夫婦からは現地で、東アフリカ共同体代表という触れ込みのウガンダ人弁護士に引き合わされた。その弁護士が取引の立会人でした。続いて、森夫婦と弁護士、さらに、金鉱山の地主と称する人物とともに、税関の倉庫でサプライヤーから金塊の一部を見せられました」

 それ以外の交渉は、森夫婦と弁護士、サプライヤーで進められた。不動産業者は初回トライアル分のタンザニアでの消費税など1600万円(本来、輸出に消費税は不要)、税関の倉庫代や渡航費の名目でつごう4000万円を負担。さらに、追加分の消費税など2000万円も引き受けさせられている。

政治力

 交渉の結果、初回トライアルを経ず、一気に金600キロの取引が行われることになった。

「絵夢さんが自慢げに明かしたところでは、我々の帰国に地主も同行する予定でしたが、コロナ禍で日本のビザ取得が難題だったと。しかし、外務省に顔が利く絵夢さんのおかげで、わずか1日で取得できたらしい。その結果、絵夢さんには政治力もあるし、信頼できるからと、弁護士の鶴の一声で決まったとのことでした」

 金600キロを日本向けに輸出する手筈を整え、5月14日、エミレーツ航空で帰国。金塊は貨物便に積み込まれ、成田空港に翌15日には到着する予定だった。

 ところが、当日、絵夢氏から「ちょっとしたトラブルで、金塊がフィリピン・マニラで足止めされている」と告げられた。以降、次々と疑心暗鬼が募るような出来事が起こったのである。

「週刊新潮」2022年12月1日号「MONEY」欄の有料版では、詐欺の手口とともに不動産業者が絵夢氏に詰め寄るまでを詳報する。

「週刊新潮」2022年12月1日号 掲載