1年前とは打って変わって

 去る1月25日、6代目山口組の司忍(本名・篠田建市)組長が81歳の誕生日を迎えた。昨年とは打って変わって、お祝いの会が開かれたのかどうかさえも表立ってアナウンスされることはなかった。実際はどうだったのか。元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は、暴力団組員の更生を支援するNPO法人「五仁會」を主宰)が解説する。

 今年の話をする前に1年前、司組長が80歳を迎えた際の話から始めることにしよう。

 注目の会はバースデー前日の24日、三重県内で開かれたという。司組長はボリューム感たっぷりでいかにも高級そうな白いセーター姿。ナンバー2の高山清司若頭を従え、銀座などから呼び寄せた着物姿のホステスらと楽しいひとときを過ごしている様子だ。

「招集されたホステスのひとりは、銀座の有名ママ。その店のオーナーママは、ある有名女優の夫と不倫して子供を授かっています」

 と、事情に詳しい関係者。当時は今よりもずっと厳しいコロナ禍にあって、社会全体が暗く沈んでいる印象があった。

1月23日に1時間半ほど

「そんな中でも開催したのは、6代目の健在ぶりをアピールしたかったのではないかと指摘する声は大きかったですね。この日のことが記事になれば、『組事(くみごと)』と言って組織のために抗争で身体を張り長期の懲役を務めている者の目にも触れるでしょうから」

 と、担当記者は振り返る。では今年はどうだったのか?

「表立ってはアナウンスされることはありませんでしたが、厳戒態勢での誕生会が極秘で開かれたことは間違いありません」

 と、竹垣氏。具体的な日取りは1月23日。愛知県瀬戸市の10代目瀬戸一家(清田健二総長)で行われた6代目山口組執行部会議の後だった。

「執行部会議は昼から開かれ、それが落ち着いた後の午後5時半ごろに司組長が会場入りしました。コンパニオン風の女性を乗せたグランドハイエースが現地にやってきて、それなりの宴席が催されたということです」(同)

 司組長は午後7時ごろに現場をあとにしたとされる。1時間半ほどの「バースデー・パーティー」だったというわけだ。

最高幹部は列席

「グランドハイエースは7〜8人乗りですから、女性たちはかなりの人数にのぼったようです。祇園や銀座などの女性が参加したとも取りざたされていますが、内部の様子については緘口令が敷かれています。出席者は司組長や高山若頭のほか、森尾卯太男本部長、竹内照明若頭補佐らが同席したということは聞いています」(同)

 元々、この会は誕生日当日の25日、2代目國領屋一家(静岡・戸塚幸裕総長)で執り行われる予定だったが、結果的に変更となったことになる。

「最高幹部は情報漏れを過度に警戒していたようですね。過去に6代目のプライベートな動画などが流出したことがあり、それによって親しみやすさは伝わったものの、ともすれば軽薄な印象を与えかねないと議論になったこともあるようです。女性たちに関しても本人や所属店のことが漏れれば営業に支障が出たり、密接交際者扱いされたりする可能性もあり、そのあたりについても厳しく対応したということでしょう」(同)

 写真を見る限り、バースデー・パーティーとは正反対の緊迫した会談の後を思わせる司組長の表情だが、果たしてひと息つくことはできたのだろうか。

デイリー新潮編集部