本日、“大ボス”渡辺優樹容疑者(38)と共に送還される小島智信容疑者(45)。ルフィ4幹部のなかではいまひとつキャラが薄いが、マニラの歓楽街で4人の写真を見せると、最も反応が得られる人物である。夜な夜なカラオケ店を渡り歩いた「最年長ルフィ」が、最後に“ガチ恋”した女性とは……。
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一晩で20〜30万円も使っていた
彼らは2019年11月に特殊詐欺の拠点が摘発されるまで、カラオケ店が軒を連ねるマカティの日本人街で夜な夜な豪遊していた。ちなみにカラオケ店とは日本で言うフィリピンパブのこと。この街には、お触りOKの庶民的な店から美女ばかり揃えた高級店まで、20店ほどある。
「渡辺も見かけましたが、断然目立っていたのが小島。2〜3週間くらいでしたが、ウチの店にも毎日来ていた」
こう振り返るのは、某カラオケ店関係者だ。飲み方は派手で、
「7、8人でやってきて8000ペソ(約2万円)もするボトルをガンガン入れる。一晩で20〜30万円は使っていたと思う。そういう金持ち客は他にもいるんですが、彼らは若すぎるんで一際目立っていた。社長さんには到底見えないんで、半グレ連中なんだと思っていました」(同)
ありがたい客ではあったが、飲み方が汚くてある時トラブルになったという。
「小島が女の子を持ち帰りたいと大騒ぎしたんです。フィリピンのカラオケは連れ出し禁止です。『そういう遊びをしたいなら他の店でやってください』と注意しても、『こんな大金使っているんだからいいんだろう』と引き下がらない。しまいに、『俺らにはバックもついているんだぞ』と凄んできて……」(同)
IT企業の社長と名乗っていた
こっちでは「バック」は警察を指すという。特殊詐欺で35億円も荒稼ぎしていた詐欺グループの幹部を務め、小島は怖いもの知らずだったようだ。だが、所詮は新参者だ。
「『調子こいてんじゃねぇぞ』と怒鳴り返して、最後は力づくで取り押さえて土下座させました。それっきり来なくなりました。奴等はそうやって店を渡り歩いていくんです」(同)
こんな悪評ばかり聞こえてくる小島だが、「あんなジェントルマンはいなかった」と擁護するフィリピン人ホステスがいる。彼女こそが、小島が幾多のカラオケ嬢を渡り歩いた末に行き着いた女性だ。滝沢カレン似の美女である。
「服装は黒いシャツに短パン姿が多かったかな。コンピューター関連のIT企業の社長と名乗っていました。ハンドバッグにはいつも分厚い1000ペソ札が3、400枚くらい入っていたんで、信じていました」
「マンションを買っていいよ」
小島は夜な夜な彼女と同伴。鰻などの高級料理をご馳走したり、プレゼント攻勢を繰り返していた。
「2019年に当時の最上位モデルiphonX・MAXのゴールド(編集部注・64GBモデルで価格は12万4800円)も正規店で買ってもらった。高価なネックレスも」
そして、「一緒になろう」と口説かれたというのである。
「『フィリピンのどこでもいいからマンションを買っていいよ』って。優しいし、顔もかわいいし、何よりもジェントルマンだったから私も好きだった」(同)
小島はお触り一つしなかったという。前述のように、下品な飲み方をすることで有名だった小島だが、彼女には“ガチ”だったのだ。ただ、彼女には当時、付き合っていた彼氏がいた。だから、迷いながらものらりくらり交わしていたのだが、2019年11月、小島は彼女の前から忽然と姿を消す。
「いまはセブにいる」
小島らが特殊詐欺をしていた拠点がフィリピン当局に急襲され、逃亡したのである。
「しばらくしたら、『いまセブにいる』って連絡が来ました。それから、半年くらいして本当は詐欺犯だったと聞いた時はショックで崩れそうになりました」(同)
連日。新聞・テレビを賑わせてきた連続強盗犯“ルフィ”の周囲にはオンナの影があった──。2月9日発売の「週刊新潮」では「ルフィを支えた女たち」を特集。渡辺容疑者に1億円を運んだ“金庫番”日本人彼女の正体についても詳しく報じている。
デイリー新潮編集部