皇族数の減少が進み、安定的な皇位継承策が「喫緊の課題」となって久しい。愛子さまの“お相手”に旧宮家の青年が浮上したことは本誌(「週刊新潮」)でも報じたが、「策」の行方によらず“眞子さんの二の舞い”は避けねばならない。そんな中、あの一門の御曹司も取り沙汰されて……。

 愛子さまは現在、学習院大学文学部日本語日本文学科にご在籍。早いもので、新年度には最終学年を迎えられることとなる。

「2020年4月に入学されたものの、コロナ禍で初登校はその年の10月までずれ込んでしまいました」

 とは、宮内庁担当記者。

「新入生向けガイダンスに出席された愛子さまは『先生方や学生の皆さんにお会いできることをうれしく思います』と述べられていました。が、その後もご通学はかなわず、21年4月、1年遅れの入学式もオンラインでのご参加となったのです」

 昨年12月には、卒業論文の説明会などとあわせて初めて対面授業を受けられたのだが、本格的な通学の見通しは立たずじまいだった。それが、

「宮内庁は先月下旬、大学側とご通学を調整していくと明かしました。これに先立ち、お誕生日の会見に臨まれた天皇陛下も『キャンパスに足を運べるようになり、これまで以上に広い経験を積んでくれれば』と、大学生活に期待を寄せられていたのです」(同)

“新たなご縁”

 遅ればせながら本格的なキャンパスライフが始まる愛子さまは、喜びもひとしおであられるに違いない。と同時に、もう一つ胸を躍らせるようなお話が進みつつあるのだ。

 本誌は3月16日号で、愛子さまと“新たなご縁”が始まったお相手として、1947年に皇籍離脱した11宮家の一つ「賀陽(かや)家(旧・賀陽宮家)」の末裔(まつえい)である男系男子の兄弟を紹介した。現在の当主は、天皇陛下と学習院初等科以来のご学友で、紀宮さまの“お相手候補”にも挙げられたことのある賀陽正憲氏(63)。こちらの家庭には27歳と25歳になる子息がおり、正憲氏が陛下にお会いする際に同席するなどし、愛子さまとの交流も深まっていったのだという。

 さる皇室ジャーナリストが言う。

「旧11宮家のうち、独身の若い男系男子を擁するのは賀陽家、久邇家、東久邇家、竹田家の4家で、あわせて10人前後とみられます。中でも、愛子さまと年齢的にも釣り合いそうな年代のご子息が2人もいるのは賀陽家だけ。おまけに賀陽家の男子は、現在の皇室に最も近いのです」

特例法で対処すれば養子縁組は可能

 47年当時の「皇位継承順位系図」が、その事実を如実に物語っている。一昨年開かれていた政府の有識者会議において、事務局である内閣官房の皇室典範改正準備室が作成し、示した資料だ。ご覧のように、賀陽宮家の当主だった賀陽恆憲氏(78年に77歳で死去)から連なる男子には、系図の中で最上位の順位がつけられている。

 皇籍離脱の時点で賀陽宮恆憲王の順位は8番目だったが、7番目の山階宮武彦王に男子がなく、賀陽宮家の6人の男子に次の順位が割り振られていった。現在の系図に当てはめても、賀陽家の男子の皇位継承順位は最上位となるわけである。

 さきの有識者会議では、「女性皇族が結婚後も皇室に残る」「旧皇族の男系男子が養子として皇籍復帰する」の2案がまとめられた。現行の皇室典範では皇室が養子を迎えることが禁じられているとはいえ、特例法などで対処すれば養子縁組は可能。何より愛子さまのご意思が最重要であるのは言うまでもないが、有識者会議でヒアリングを受けた麗澤大学の八木秀次教授は、

「天皇家のご息女が他の宮家に嫁いだケースは多くあります。明治天皇は4人の内親王を東久邇宮、朝香宮、北白川宮、竹田宮に嫁がせ、また昭和天皇も成子内親王を東久邇宮に嫁がせました。前例に照らせば、愛子内親王が、皇族に復帰した賀陽家のご子息と婚姻なさっても全く問題はありません」

注目を集める31歳のイケメン

 旧宮家を中心とした愛子さまの“お婿リスト”においては、先述したように賀陽家が一歩抜きんでているといえよう。一方で先ごろ、こんな報道があった。

〈愛子さまお婿様候補に急浮上! 村上天皇末裔 東大卒のイケメン華道王子〉(「女性自身」4月4日号)

 この「華道王子」とは、華道家元・池坊専永氏(89)の孫にあたり、写真家でもある池坊専宗氏。記事によれば、旧華族の親睦団体「霞会館」関係者の間で、内親王のお相手探しが進む中、注目を集めているのが31歳の専宗氏だという。

「専宗氏の祖母は、衆院議員を5期務めた元文部科学副大臣の池坊保子氏(80)です。最近では18年、日本相撲協会評議員会議長として日馬富士の暴行事件で貴乃花を批判し話題になりましたが、保子氏は元子爵・梅渓(うめたに)通虎の三女で、母親が香淳皇后のいとこにあたる家柄。自身も初等科から大学まで学習院に学んでいます」(前出ジャーナリスト)

 保子氏は、63年に45代目家元の専永氏と結婚。2女をもうけている。

「長女の由紀氏は大蔵官僚と結婚し、15年には次期家元として4代目池坊専好を襲名。女性の家元は500年を超える池坊の歴史で初めてとなります。今回、名が挙がっている専宗氏は、この家のご子息です」(同)

保子氏に尋ねると……

 専宗氏は学習院出身ではないものの、慶應大理工学部に入学後、東大に入り直して法学部を卒業した経歴を持つ。本人のHPには、

〈草木の命との交わりを信じることはあなたがあなたであることを許すことに繋がり、そこからたくさんの豊かな出会いが生まれ、他者を受け入れることに繋がっていく〉

 とつづられている。孫が「お婿さん候補」に擬せられた保子氏に尋ねると、

「あ、あ、私、ちょっとお答えできませんので……」

 と言いつつ、その声は心なしか弾んでいたのだった。

 先のジャーナリストは、

「愛子さまはまだ21歳。お相手探しなど本来ならばいささか気の早いお話かもしれませんが、これには“特殊事情”があります」

 としながら続けて、

「他ならぬ小室問題です。お子様方の自主性を重んじられる秋篠宮家にあって、眞子さんは終始、自由恋愛を貫いたわけですが、結果として皇室がどれだけダメージを被ったことでしょうか。内親王が儀式を経ずに皇籍を離れるという『類例を見ない結婚』は、二度と繰り返すわけにはいきません。その轍(てつ)を踏まぬように、宮内庁はじめ周囲がプリンス候補をリストアップするなど神経を尖らせるのは当然で、となれば旧宮家や旧華族など、お相手の家柄がおのずと限られてくるのも道理です」

 前出の八木教授も、こう指摘するのだ。

国家の“威厳的部分”と“機能的部分”

「英国の評論家ウォルター・バジョットが『イギリス憲政論』で語ったように、国家には“威厳的部分”と“機能的部分”が存在し、前者は王室や皇室、後者は政府が担う形で運営されています。彼は、君主制には“演劇的部分”があるとも言いましたが、国民は皇室にロマンチックなものを求めこそすれ、決して“俗世間的な干からびた風景”を見たいとは思っていません」

 ところが小室問題は、

「単なる結婚トラブルにとどまらず“皇族も我々と変わらないじゃないか”という思いを広めてしまったといえます。国民は興ざめし、“威厳的部分”に大きな傷が残ってしまったのではないでしょうか。やはり内親王のお相手は“演劇的部分”も理解した上でお支えできる人でなければ務まらないのだと思います」(同)

「週刊新潮」2023年3月30日号 掲載