7月に迫った東京都知事選挙に、続々と候補者が名乗りを上げている。広島県安芸高田市の石丸伸二前市長、立憲民主党の蓮舫参院議員らだが、日本維新の会のアノ人の出馬情報も。

「音喜多駿参院議員のことですよ。党の内部からも、“彼が出馬すべきだ”との声が出始めています」

 と言うのは野党担当記者。

「SNSでは“#おときた駿さんを都知事選に”がトレンド入りしました。もっとも、コメントは出馬に期待する声のほかに、本会議場で居眠りする彼の写真をアップして“楽しみだなあ。寝る間を惜しんで奔走してくれそうですね!”と揶揄(やゆ)するものも少なくない」

 本人もまんざらではなさそうで、一時は“騒動”に便乗する姿も見られた。

「5月28日の番記者によるぶら下がり取材では、開口一番“都知事選に立候補する音喜多です”と軽口をたたいた。ただし最近の維新は党勢が低迷し、いまだに独自候補を決めるめども立たない危機的状況。どこまで本気なのか」

 この日、維新の藤田文武幹事長は会見で「最後まで状況を見定め、出馬できる方がいるか見極める」と発言。候補擁立が難航していることを匂わせた。他方、党内からは「音喜多さんは、自分が出ても当選はかなり難しいと考えているはず」との声も伝わってくる。

石丸氏に“抱きつき”試みるも失敗

 どうにも腰が定まらない維新。4月下旬には安芸高田市の石丸市長に“抱きつき”を試みていたという。

「東京維新の会の幹部が石丸さんとのアポを取り付けて、“ウチの推薦でいかないか?”と打診したんです。ところが石丸さんは“今回は完全無所属でいきたいので”とあっさり断った。それでも維新側はあきらめず、どうにか“広島の論破王”を取り込もうと“維新の推薦があれば60万ほどの基礎票が乗りますよ”と持ちかけた。が、石丸さんの意思は固く、協議は物別れに終わったのです」(党関係者)

 その後の維新は、まさに“悪女の深情け”だった。

「5月に入って石丸さんが正式に無所属での出馬表明をした後も、維新の推薦を受けてもらうべく打診し続けた。彼らの念頭には、2020年の前回の都知事選に、無所属で出馬した小野泰輔さん(現・維新の衆院議員)が、後から維新の推薦を受け入れた成功体験があったようです」

「音喜多氏はいまだに根に持っているようです」

 加えてあきれるような内ゲバも。先の野党担当記者が言う。

「4月の東京15区衆院補選の際、東京維新が機関紙を配布していたことを足立康史衆院議員が問題視し、SNSで“公選法に抵触する恐れ”を指摘。これに“違法ではない”と反発した東京維新が“選挙現場を混乱させた”と、党本部に足立氏の除名を求めたのです」

 反発した足立氏は、逆に音喜多氏ら東京維新執行部の除名を要求。結果、足立氏は党員資格停止6カ月に処され、事態は収束したが、

「いえ、音喜多氏はいまだに根に持っているようです。周囲に“足立は俺たちを批判したいだけ。本当にうっとうしい”としきりに吐き捨てていますよ」

 維新の関係者はあきれる。

「音喜多さんは次期衆院選で東京1区への鞍替えが決まっていますが、議席を争う自民党の山田美樹さんは裏金問題の影響を恐れて地元回りを強化していますし、立憲の海江田万里さんも知名度は高い。現実的に、音喜多さんは比例復活も難しい。都知事選に出て名前を売る方が将来の展望が開けると思いますがね」

 告示日まで残り1週間。

「週刊新潮」2024年6月13日号 掲載