いつものことと言えばそれまでだが、充実した議論が行われたという印象がまったくない点においては今年の通常国会はいつもと同じ通常国会であった。パーティー券 の裏金を巡っては政倫審が開かれ、それを受けて政治資金規正法改正が行われ、そのたびに自民党は支持率を落とした。そんな状況で、岸田文雄総理(66)をますます窮地に追い込みかねないゆるんだ姿が……。

委員会中に「暇です…」と送信

 これまでも問題視されてきた国会審議中の議員たちの“内職”。両院ともにスマホは禁止で、衆院本会議に限ってはタブレット端末、ノートPCの持ち込みも禁じられている。この決まり自体が時代遅れとの指摘もあるのだが、いずれにせよ、議事に関係のないものの閲覧がご法度だというのは当然だろう。

 しかしながら、相変わらずの行状は今国会でも見受けられた。

 5月13日、衆院・決算行政監視委員会の第2分科会。盛山正仁文科大臣(70)が決算報告をしているにもかかわらず、両手をあげて背伸びするのは山本朋広元防衛副大臣(48)だ。

 彼はこの直前、禁制品であるはずのスマホで同僚の田中英之党副幹事長(53)とこんなやり取りをしていた。

山本「暇です」

田中「あはは、委員数も少ないですしね」

山本「理事もいないし、定足数が足りていなくても誰も『止めろ!』と言わないのでは?」

 たしかに数字を読み上げるばかりの委員会だが、本音ダダ漏れにもほどがある。ちなみに相手の田中氏は同時刻、第4分科会に出席中。

家具カタログをじっくり吟味

 6月3日、同じく衆院・決算行政監視委員会。萩生田光一前政調会長(60)は、家具のカタログを見ていた。なんでもかんでも「秘書がやった」と言う議員が多い中、自らの目で書類棚まで吟味する姿勢は評価できる――という人はどのくらいいるだろう。パーティー券の裏金キックバックが2700万円で党内3番目の多さを誇っても、政倫審に出ず、処分も「党役職停止1年」かつ「都連会長留任」で済まされてしまうのは、この細かい管理ゆえのことなのか。

 6月7日の参院本会議。どうにも落ち着かない雰囲気を醸していたのは松下新平元総務副大臣(57)であった。参院では許されるタブレット端末だが、なぜか机の下に隠している。よく見ると、どうやらカード決済の口座に引き落とし予定のお金が足りないというお知らせ。たしかにこれは見られたくないが、ならばここで開かなければいいものを……。

 かくして幕を閉じてゆく、締まりのない第213回通常国会。秋の臨時国会は10月召集予定だ。

撮影・福田正紀

「週刊新潮」2024年6月20日号 掲載