野党第一党としての立ち位置を定めきれない

 立憲民主党の代表選は盛り上がりに欠けたまま11月30日の投開票を迎えそうだ。立候補する逢坂誠二元首相補佐官(62)、小川淳也元総務政務官(50)、泉健太政調会長(47)、西村智奈美元副厚生労働相(54)のいずれもが過半数に達せず、決選投票が濃厚となっている。

 代表選を報じる新聞の見出しを拾ってみると、

・追跡:立憲代表選、4候補論戦 提案か対決か、参院選へ岐路 支持拡大へ、拭えぬジレンマ(毎日2021.11.26)

・参院選へ立民に不安 代表選、注目度上がらず(産経2021.11.25)

・4氏の政策 大同小異 「議論低調 話題に欠ける」 立民代表選(読売2021.11.23)

 といったものが並んでおり、砂をかむような、つまらない感じが伝わってくる。

「毎日新聞の『拭えぬジレンマ』っていう文言がハマっていますね。先の衆院選での惨敗を教訓に、より幅広い層の受け皿たらんとウイングを広げればそれだけ与党化していくし、政権批判に舵を切っても、“いつまでモリカケやってんだよ!”っていうヤジが飛んできそうな気配がある。野党第一党としての立ち位置を定めきれないままです」

 と、政治部デスク。

敗れた候補がどちらの陣営につくか

 デスクは手厳しく続ける。

「短期間でくっついては離れてまたくっついて……という離合集散を繰り返してきたことに配慮してか、4候補はそれぞれへの批判や注文、直言を控えているように映ります。自民党総裁選では活発な議論が交わされていただけに物足りなさが際立ちますね。加えて、各候補の経験や知見が足りないため、特に外交や安全保障関連の議論がお粗末で、政権担当能力のなさを露呈してしまっている。公開討論会は逆効果ではないかとさえ思われます」

 他方、野党担当記者に選挙の情勢について聞いてみると、

「推薦人はそれぞれ20人おり、国会議員の数が少なく、誰が誰に入れるかはある程度想定できるので票読みはそう難しいことではありません。“浮動票はたった4票”なんて話も出ていたりするほどです」

 誰か抜きんでた候補がいるわけではなく、1回目の投票で1位と2位だった候補による決選投票になるのは必至の情勢だ。

「4候補いずれにも決選投票進出の可能性があり、敗れた候補がどちらの陣営につくかというのが予想しづらく、その意味では史上稀に見る大混戦です。全く盛り上がっていないんですがね」

連合の顔を立てつつ

 決選投票に進んだ際に、1,3位連合vs2,4位連合とか、1,4位vs2,3,位連合など、協力関係も複雑で読みきれないという。

「誰もがすべての順位になる可能性があり、数えると10を超えるので、どの社も情勢を予想するのを半ば諦めているんじゃないですかね。ある選対では、“記者に聞いてもどこが勝つか誰もわかっていない”とのボヤきが聞こえてきました。各社の情勢報道が少ないのはそのせいだと思いますよ」(先の担当記者)

 ともあれ、今回の代表選は立憲民主党にとって、来夏の参院選の顔を決める大事な選挙だ。

「よほどのことがない限り新代表で参院選を戦うことになります。そして、新代表に選ばれた人が神経を使うのは、共産党との協力関係をどうするかに尽きる。先の衆院選での共闘は一定の効果があったと各候補は認識していますが、支持母体の連合は共闘に対するアレルギーが相当強い。連合の顔を立てつつ、共産党とは水面下で握手してといったやり方にならざるを得ないのではないでしょうか」

 折しも連合の芳野友子会長は「立憲と国民民主党との合流を求める」旨の発言を行っており、晴れて代表になったとしても難しい決断を求められる場面が続くだろう。結局、与党のスキャンダルを受けての追い風待ちでしか、来る参院選での勝機はなさそうだ。

デイリー新潮編集部