5月15日、沖縄の本土復帰から50年を迎え、岸信夫・防衛相(63)の発言が注目された。一方、永田町では、岸大臣の“健康問題”にも高い関心が持たれているという。

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 岸大臣は13日に会見を開き、「沖縄の皆さんに大きな基地負担をかけている状況は到底是認できるものではない」などと発言。多くの大手メディアが報道した。

 5月3日から6日にかけては訪米し、ロイド・オースティン国防長官(68)と会談。ウクライナ情勢について意見を交わしたほか、北朝鮮や中国の問題についても話し合った。

 ロシア軍がウクライナに侵攻し、北朝鮮はミサイルの発射を続けている。防衛相の言動が大きく報じられるのは当然だろう。

 しかし永田町では、岸大臣は「別の事柄」で秘かな話題になっているという。担当記者が言う。

「話題になっているのは、岸さんの健康問題です。昨年9月に『週刊ポスト』が報じ、『週刊文春』も3月に記事を掲載しました。どちらも歩行が困難という内容です。大臣が激務であることは言うまでもありませんが、特に防衛相はロシアや北朝鮮と対峙する責務があります。他の大臣以上に心身をすり減らすポストと言われています」

「#足なんて飾りです」

 野党が虎視眈々と見ているのは、ある意味で当然だ。しかしながら、与党の自民党からも「岸さんの本当の病状はどうなんだ? このまま大臣を続けられるのか?」と心配する声が出ているという。

 週刊ポストの記事は、ネットでも配信されている。NEWSポストセブンは2021年8月31日、「岸信夫・防衛相『歩行に支障』の健康問題浮上 よぎる兄のトラウマ」を掲載した。一部をご紹介しよう。

《公用車で防衛省を出た岸氏は都内の鍼灸院へ。車を降りると、膝をかがめ、お腹をかばうように前屈みになってよたよた歩き出した。車のトランクに手をついて体を支える場面もあった。何かあれば支えられるように、SPが心配顔で後ろをついていく。相当重症のようだ。8月13日、靖国神社を参拝したときは、岸氏は右手で杖をついていた》

 ところが、この報道に異を唱える“著名人”も現れた。

「作家でタレントの乙武洋匡さん(45)です。同日、Twitterに『スタスタ歩けないと大臣は務まらないのでしょうか』と投稿。更にアニメ『機動戦士ガンダム』のセリフを引用し、『#足なんて飾りです』、『#偉い人にはそれがわからんのです』とハッシュタグを加えました。すると賛同の声が多数、ツイートされたのです」(同・担当記者)

報道には異論も

 現在はどうなのか。Twitterで検索してみると、岸大臣の健康状態を心配する層と、問題ないとする層の2つに分かれているようだ。それぞれ2つずつ紹介する。

《岸信夫防衛庁長官、銭湯のTVでチラ見したら杖ついてて、顔色もかなり衰弱しているみたいで心配》

《岸防衛相 健康状態は大丈夫? 歩行も発音も厳しい 車椅子で発音に問題がある大臣がいてもいいが、就任時から病状が進行してるのでは?と心配》

《パラリンピック開催中に、『足が悪いからお前には防衛大臣ふさわしくない』って論調の記事よく書けるな…》

《仕事上での判断が明確に出来るのであれば問題ないことだと思います》

「週刊ポストの記事は、岸さんが《歩行に支障をきたしている》ことしか伝えていないので、誤解を招いたのかもしれません。今年3月に発売された週刊文春の報道を見ると、岸さんの出処進退に直結するような、重大な《健康問題》が取り沙汰されているのだと分かります」(同・記者)

 週刊文春(3月10日号)に、特集記事「岸田政権、機能セズ」が掲載された。この記事には2本のサブタイトルが付いているが、そのうち岸大臣について言及した1本だけをご紹介する。

杖は2本に増加

「岸防衛相に健康不安 杖をつき、視察では倒れそうに」──記事から、《防衛省関係者》のコメントだけ、引用させていただく。

《「目もうつろで、話をするときに舌がもつれたりすることもある。今回のウクライナ侵攻では、防衛相は国家安全保障会議(NSC)の閣僚会合にも出席する立場です。職責を全うできるのでしょうか」》

 自民党の関係者は、「岸さんの健康を心配している人が増えることはあっても、減ることはありません」と言う。

「ずっと車椅子を使っています。また以前は、国会答弁で立ちあがる際、1本の杖を使っていました。ところが先日は2本になりました。とてもではありませんが、乙武さんが問題提起したような『スタスタ歩く』か否かというレベルではありません。Twitterでも『国会答弁や会見のネット中継を見ても、元気がなくて発言が聞き取りにくい』という指摘が投稿されていますが、本当にその通りです。永田町では重病説が囁かれており、具体的な病名も飛び交っています。事態は深刻です」

 政治に興味がある方なら、「政治家は健康状態については口が重い」ことをよくご存知だろう。

岸田首相のリーダーシップ

 もし政治家が重大な病気に罹ると、多くの有権者が「この人に政治を任せていいのか」と不安になる。特に首相や大臣の場合だと、辞任が必要なケースも少なくない。

 だからこそマスコミは、政治家の健康状態を常にウォッチする。

 例えば小渕恵三・元首相(1937〜2000)が2000年に脳梗塞で倒れた際、自民党は充分な病状説明を行わなかった。

 そのため後継が森喜朗・元首相(84)に決まった際、「小渕首相の病状について不透明な部分が多かったため、後継決定プロセスが正しいかどうか判断できない」と、有権者への説明責任が果たされていないという批判が起きた。

 岸大臣も、SNSなどでは、「将来の総理総裁」と期待する声が少なからず投稿されている。健康状態に関して報道されるのも当然だろう。

「岸大臣の健康状態に対して、岸田文雄首相(64)がどう対応するかも関心を集めています。岸大臣の体調が良くないことは傍目にも明らかです。ならば、岸田首相は後任を考えるとか、何らかの対応が必要なことは言うまでもありません。しかし今のところ、この件に触れるつもりはないようです。岸大臣の後ろ盾は、お兄さんの安倍晋三元首相(67)だからです」(前出の記者)

後継問題のカオス

 前出の自民党関係者は、「岸さんの場合、ご本人もそう簡単に大臣を辞めるわけにはいかないという事情もあります」と言う。

「事情とは後継者問題です。岸さんの選挙区は山口2区。安倍さんは山口4区です。岸さんには民放キー局に勤務していた長男がいます。普通なら彼が岸さんの後継になるはずですが、安倍さんも岸さんの長男を後継者に考えているとも言われているのです」

 もし岸大臣が健康問題で大臣を辞任し、次の選挙に出られないとなれば、岸・安倍家の後継問題も浮上してしまう。

「そうなると、ややこしい事態になる可能性があります。岸田さんにも“パンドラの箱”を開ける勇気はありません。結局、岸さんの健康問題については、見て見ぬ振りをするしかないというわけです」(同・自民党関係者)

次期防衛相は?

 ただ、後継の防衛相については、早くも名前が挙がっている。

「内閣総理大臣補佐官(核軍縮・不拡散問題担当)の寺田稔さん(64)です。広島5区選出の岸田派ということで、岸田さんと非常に距離が近い政治家です。今年7月に参院選が行われ、その後、岸田さんは内閣改造を行う予定です。この際、防衛相は岸さんから寺田さんに替わると見られています」(同・自民党関係者)

 ウクライナ情勢はロシア軍の劣勢が伝えられ、北朝鮮では新型コロナウイルスのパンデミックが疑われている。

 岸大臣の仕事は忙しくなるばかりだろうが、あと2カ月、職責を担い続けることはできるのだろうか。

デイリー新潮編集部