公示後、初めての週末に、報道各社は一斉に情勢調査の結果を報じた。おおよそ、自民伸長、立憲低迷、維新躍進……といった“想定内”のものだったが、驚いたのはこんな記述だ。〈参政党、NHK党も議席獲得が視野に入る〉……。

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 ご存じない方のために記しておくと、参政党は一昨年設立され、代表は元財務官僚で代議士経験もある、松田学氏らが務める。今回の参院選では、選挙区に45人、比例区で5人の候補者を立てている。

 同党のHP記載の政策を見ると、概ね自民党よりやや“右”に位置する保守政党という印象だが、

「ここが話題なのは、メンバーに過激な発言をする人が少なくないからです」

 とは、さる政治ジャーナリストである。

「ほとんどは“反ワクチン”の立ち位置で、マスクも科学的にはほとんど意味がない、と述べている。また、幹部の一人も“50代以上の男は生きてる価値がない”と発言して話題になりました」

 実際、6月25日に都内で行われた松田氏らの演説を見ても、穏健な主張に織り交ぜながら、

「電子レンジで食べ物を温めてはいけません。発がん性を持ってしまう」

「抗がん剤を使っているのは日本だけ。だから日本でがん患者が増えているんです」

 などの“自説”を唱えるのである。

「ガーシー」が国会議員になる可能性も

 6月初頭に、参政党で事務局長を務める神谷宗幣氏に取材をした際、話題は「不倫を犯した政治家」に及んだが、そこで神谷氏はこんな見解を口にした。

「もし我が党の候補者にそのような人がいた場合は、素直に認めて公表するだけです。議員の仕事は国民の利益を追求すること。品行方正である必要はない」

――神谷さん自身も同じですか?

「ハハハ。もしそういうことがあっても他の党員と同じです」

 不貞も公認の“新しい”政党というわけなのだ。

 続いてNHK党である。

「NHK放送のスクランブル化」というシングルイッシューをメインの公約に掲げながらも、結党9年、既に前回の参院選で1議席を獲得した“実績”があるから、今選挙で議席を得てもそれほど驚くことはないが、問題はその当選者だ。

 前出のジャーナリストによれば、

「NHK党の比例候補の中で、もっとも個人票を集めると見られているのは、『ガーシー』です。つまり、同党が議席を得るとなると、彼が国会議員になる可能性が高い」

“よろしく頼むで”

 ガーシーこと東谷義和氏は、元会社経営者で、若手芸能人のタニマチ的存在だった。この2月、YouTubeチャンネルを開設し、城田優や綾野剛など、これまで面倒を見てきた芸能人のスキャンダルを暴露し、その後も攻撃を続けている。

 なぜかこの選挙にも立候補を表明し、「芸能界改革」を訴えながら、現在住むドバイから選挙活動を続けているが、

「活動といっても、同党のスタッフが拡声器でガーシーの演説を流すといったもの。その中身も“投票用紙に『ガーシー』と記入してな。よろしく頼むで”“当選しなければ、(芸能界の闇の)暴露は、サロンで公開させていただきます”といった、60秒ほどのものです」

 自らのオンラインサロンの宣伝をして、議席も獲得となれば、これほど楽な話はないのである。

 拓殖大学政経学部の丹羽文生教授(政治学)は言う。

「両党とも突飛な主張も見られますが、それなりの支持者がいる。SNSを使った選挙活動に長けていて、とりわけ若年層に浸透しています。従来の常識からすれば信じがたいですが、議席を得てもおかしくないほど支持を広げているのは、紛れもない事実です」

「週刊新潮」2022年7月7日号 掲載