結党以来初となる「日本維新の会」の代表選が8月14日に告示される。現時点で3人が立候補を表明するなか、注目を集める“異色”の候補が当選1回の梅村みずほ・参院議員(43)だ。「あえて空気を読まずに手を挙げた」と話す“維新のジャンヌダルク”を直撃した。

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 7月の参院選で784万の比例票を獲得し、比例選での「野党第1党」へと躍進した日本維新の会。2010年、橋下徹氏とともに地域政党「大阪維新の会」を立ち上げた松井一郎代表の辞任に伴い、新たな「党の顔」を決める重要な節目を迎えている。

 その松井氏は「僕を引き継ぐ次の代表として応援したい」と、2日に出馬表明した馬場伸幸・共同代表を事実上の“後継指名”。しかし早くも「告示前に支持を公にするのは公正な選挙を阻害する」や「出来レースなのか?」といった不満やツッコミの声が維新内から上がるなど、不穏な空気も漂っている。

 期待の声が大きかった維新副代表の吉村洋文・大阪府知事は早々に不出馬を表明した一方で、足立康史・衆院議員と「唯一の女性候補」である梅村みずほ氏が名乗りを上げた。

 その梅村氏が出馬に至った経緯をこう話す。

「当初は立候補することは考えていませんでした。代表選は推薦人30人を集めれば誰でも出馬できるのですが、待っていても誰も手を挙げない状況が続いたため、“私がこの空気を破るしかない”と、あえて空気を読まずに立候補を決意したのです」

 梅村氏が正式に出馬宣言したのは今月8日だが、すでに7月27日、自身のツイッターに「挑戦しようと覚悟を決めた」と記し、誰よりも早く出馬への意思を表明していた。

「2児の母でロスジェネ世代」の戦士

 代表選へ出るには国会議員や地方議員ら30人の推薦が必要になるが、自民党などのように推薦人を国会議員に限定していないため、出馬へのハードルは低くなっている。しかし立候補の意思を示していた前総務会長の東徹・参院議員が一転、「党内融和」を理由に出馬を見送るなど、選挙戦は当初予想された「大混戦」からトーンダウン。

「本来であれば、“次代のリーダー”を決める選挙のため、予備選が行われるほど活気のあるものになるのが理想です。そんななか、1回生の私が代表選に出ることに“身のほど知らず”との声があるかもしれませんが、女性で、2児の母で、ロスジェネ世代の私が先頭に立つことで変えられるものもあるはず。維新がこれから全国政党へと脱皮するには、若者や女性の支持拡大と候補者擁立が不可欠です。“最速最短”で活躍できる党だと全国にアピールできる存在は私しかいないと思っています」(梅村氏)

 愛知県名古屋市出身の梅村氏は旅行大手JTBを退社後、フリーアナウンサーへ転身。関西地方を中心にキャスターやリポーターとして活動し、19年に大阪府選挙区から立候補して初当選を果たした。

「正直に言えば、他陣営の攻勢で推薦人が当初の40数名から現状30数名にまで切り崩されるなど、権力闘争の熾烈さを身をもって実感している毎日です。厳しい戦いになるのは承知していますが、それでも日々、いろんな人から応援の声が届いており、勝算はゼロではないと考えています」(梅村氏)

いまも続く「切り崩し工作」

 投票は特別党員約600人と一般党員約2万人が等しく「1人1票」の投票権を持つため、カギを握るのは一般党員の動向と見られている。その一般党員の「約半数は大阪府民」(維新関係者)とされ、選挙戦では内向きの論理でなく、外へ向けての発信力が重要だと梅村氏は話す。

「維新の“公約”のひとつが、大学までの教育費および出産費用の無償化です。実現するためには大阪を越え、20代や30代の男女へ支持を広げる必要がありますが、“女性リーダー”が訴えてこそ、より多くの有権者の心に届く部分があると信じています。また維新内でも女性が意思決定機関に関与するのが難しい面もあり、私が“維新を維新(変革)する”との覚悟で臨んでもいます」(梅村氏)

「日本を変えていく」という改革の“維新スピリッツ”が原動力だと話す梅村氏は、自党の将来像をこう描く。

「権力は腐敗するものであり、党内改革をしていかなければ、維新も自民党と同じになりかねない。私は今回の代表選を“繋ぎ”などとは思っていません。全国政党化を推進し、立憲民主党を倒し、野党第1党となる。それがゴールでなく、さらに“自民党をも倒す”――。それくらいの気概を持っていないと代表選に手を挙げるべきではないと考えています。“まさか”を起こすのが維新の真骨頂。サプライズを信じて走り続けます」(梅村氏)

 驚くことに、いまも切り崩し工作は続いており、告示日まで本当に出馬できるか否か――ギリギリの攻防が続いているという。選挙戦のスタートラインに立つのは誰か。投開票は27日だ。

デイリー新潮編集部