混乱を極めた安倍元総理の「国葬」に続き、岸田政権に早くも次の“試練”が待ち構える。10月3日に召集予定の臨時国会で追及が再燃する、旧統一教会をめぐる問題だ。なかでも野党から“袋叩き”に遭うと見られているのが山際大志郎経済再生担当大臣。それを見越して、自民党内からは「早く辞めろ」との声が公然と上がり始めているという。

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 9月23日、山際大臣の地元選挙区(神奈川18区)の川崎市高津区にある溝の口駅前で大規模なデモ行進が行われた。約150人のデモ隊が掲げた横断幕には「国葬に反対」などの言葉とともに「山際大臣辞職せよ!」と大書きされた文字が躍る。

 練り歩くデモ隊の口からは「山際はいますぐ辞めろ!」や「地元の恥だ!」といったシュプレヒコールがこだまし、選挙区のド真ん中で繰り広げられた前代未聞の大行進に行き交う地元有権者も足を止めるほどだった。

 デモを主催したのは「神奈川18区市民の会」という市民団体で、主催者のひとりに話を聞くと憤懣やるかたない様子でこう語った。

「いまや山際氏は神奈川の恥です。これだけ旧統一教会とベッタリの関係が明らかになっているのに、説明は二転三転して一向に要領を得ない。それでも大臣ポストにしがみつこうとしている姿は怒りを通り越して情けないのひと言。今後も山際氏が辞任するまでデモは続けるつもりです」

事務所費問題で告発

 すでに政治資金をめぐる「不正」容疑で、地元市民らは山際氏を横浜地検に告発し、受理された経緯がある。

 2020年12月に東京都内で開かれた山際氏の政治資金パーティで「496席しかない会場に対し、ひとり2万円で870枚のパーティ券を販売して1740万円の収入を得た」(関係者)というのが告発内容だ。

 しかし“本丸”はこれからで、10月に入ると「事務所費をめぐる問題も捜査当局に告発予定」(同)という。

 事務所費問題とは「週刊新潮」(9月8日号)が報じた疑惑で、山際氏が代表を務める自民党神奈川県第18選挙区支部と地元事務所が入居する川崎市内のマンションを舞台としたもの。同マンションの所有者は、山際氏の私設秘書が代表に就く会社で、相場より20万円以上も高い月44万円の家賃が同支部から長年支払われていた。所有会社の株を100%持つオーナーが山際氏であることから“税金還流”疑惑も囁かれているのだ。

 告発状の作成はすでに始まっているといい、地元からの相次ぐ突き上げだけでなく、国会でも野党が手ぐすね引いて待っている状況にある。

「臨時国会召集前に辞めるのがベスト」

 22日の会見で、立憲民主党の泉健太代表が「説明をコロコロ変える。大臣としての資質がないと言わざるを得ない」と指弾すれば、共産党の志位和夫委員長も「当然辞任すべきだ。閣僚の資格があるわけがない」と述べ、両党とも山際氏の辞任を求めていく考えを明らかにした。

 対する自民党関係者は困惑気味にこう話す。

「臨時国会が始まれば、山際氏が“袋叩き”に遭うのは目に見えている。野党が“証人喚問だ”“参考人招致だ”と騒ぎ立てれば、旧統一教会問題が再燃しかねない。そうなる前に“みずから辞めてくれるのが一番”と党内でも多くの人間が考えているが、問題は本人に辞める気がないこと。とはいえ、岸田首相が直接引導を渡すと任命責任問題へと跳ね返ってくる可能性があり、得策でない。山際氏の進退については皆が頭を抱えている」

 一方で、自民党側のこんな本音を指摘する声も。

「政権内にも“山際が辞めることで旧統一教会問題の幕引きを図りたい”と考えている人間がいるのは事実です。しかし表向きの辞任理由は旧統一教会絡みであってはならないというのが“辞任容認派”の一致した見解。統一教会を理由に辞めると、“萩生田光一政調会長も辞めるべきだ”や“木原誠二官房副長官も辞めろ”と野党や世論から辞任を求めるドミノ連鎖が起きかねないためです。今後の岸田政権の命運を握るのは間違いなく経済政策。そこで山際氏の口から“国民生活に直結する経済政策の着実な実行と遅滞を回避するため”との大義名分で“臨時国会召集前に辞めてもらうのがベストのシナリオ“と口にする自民党関係者が増えています」(全国紙政治部デスク)

 四面楚歌の袋小路に陥り、もはや逃げ場はないように見える山際大臣。土俵際でまだ足掻くか。

デイリー新潮編集部