ボクシングにファイトマネーがあるように、サッカーにも“対戦料”がある。
「日本代表戦の多くは、キリンチャレンジカップと称し、外国チームを日本に招いての親善試合です。その際、日本サッカー協会は相手国に2億〜3億円の対戦料を支払います。もちろんアゴアシ付きです」
と語る大手紙記者いわく、
「ブラジルを招いた際には10億円超。先のW杯で優勝したメッシ率いるアルゼンチンを招くにはそれ以上の対戦料が必要でしょう」
「最低水準というか、実質無料」
ただ、日本時間10日未明にドイツで行われた、かの国との親善試合は違った。
「この対戦は、ドイツ側が日本を招いてくれたのです。昨年のW杯でドイツは日本に敗れたので、そのリベンジを画策したのでしょう」
だが結果は、4-1で日本の快勝。W杯に続く連敗に衝撃を受けたドイツは、試合後、監督を解任した。
ところで、この試合の対戦料はどうなっていたのか。キリチャレと異なり、主催はドイツ。〈1億円が日本に支払われた〉との夕刊紙報道があったが、協会に尋ねると「金額は開示していない」とのこと。
だが先の記者によると、
「桁が違います。実際に日本が受け取ったのは約1千万円。これはパリ・サンジェルマン(PSG)来日時に主催者が対戦相手のセレッソ大阪に支払った対戦料と同じレベル。最低水準というか、実質無料ですね」
「最低でも1億円はもらってもおかしくない」
まあ、PSGにタダでレッスンをしてもらえると考えればそんなものだろう。ドイツと日本もしかり?
「いや、W杯で勝ちましたし、今回の試合は日本が主導権を握っていた。そもそも18年ロシア、22年カタールの2大会連続で16強入りした国は日本を含めて9カ国しかない。対するドイツは2大会とも16強を逃した。FIFAランク等で依然格下とはいえ、最低でも1億円はもらってもおかしくありませんでした」
むろん招く側、金を払う側に回っても利点はある。日本で行えばファンは会場に足を運びやすい。海外開催であっても、12日にベルギーで行われたトルコ戦はキリチャレで、日本のプライムタイムに中継。CMがつき、経済が回った。一方、
「ドイツ国民のためのドイツ戦は、NHKの中継で日本時間午前3時45分開始、と視聴者には酷でした。せめて日本のギャラが高ければ我慢するかいもありますが」
試合だけでなく、マッチメイクでも主導権を!
「週刊新潮」2023年9月21日号 掲載