常勝が当然とされる巨人が10連敗とあっては、ファンは眠れぬ夜が続くが、それでも原辰徳監督(63)には、だれ一人、なにも言えないのだとか。

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 肝心要のシーズン終盤に、球団史上4度目という10連敗を喫し、最大15あった貯金が消え、借金を一つ抱えるまでに転落した巨人。OBの張本勲氏は、

「いまのチーム状態は、いままでで一番悪い」

 と、おかんむりである。

「チームリーダーの坂本ですら、打率2割7〜8分では話にならないし、ホームラン数で岡本はトップだけど、実力を考えれば足らんよ。選手に気力が欠けている。給料いっぱいもらって、みんなお腹いっぱいじゃないの? ペナントレースにも、あきらめムードが漂っているように見える」

 それでも、CSには進出したが、さる球界関係者によれば、

「読売の首脳たちは、巨人のCSでの優勝を望んでいません。日本シリーズに進出しようものなら、現行のコーチングスタッフの人事の主導権を、すべて原監督に掌握されてしまいますから。また、山口寿一オーナーにすれば、次の阿部慎之助監督という既定路線に、狂いが生じるからです」

 来季も続投することが濃厚な原監督だが、

「当初は3年契約最終年の今季限りで退任し、フロント入りする予定だった。その後のGM就任まで、九分九厘内定しています。しかし、そこに至るまでが強引でした。今年のオールスターゲーム後、原監督は読売サイドと、GMとしての権限がどこまで認められるか、山口オーナー同席のもとに、ずっと交渉してきた。その際、過去の実績を示し、かなり強引に権限を要求したので、読売首脳たちは“原はこうも強欲だったのか”と驚いたそうです」(同)

 そういう人間が、さらに箔をつけてはマズい、というわけだ。

全権委任監督

「原監督は、これまでも相当な権限を握ってきた」

 と話すのは、巨人軍関係者である。

「事実上の全権委任監督ですから。すべてを一人で決めるのは困難なので、大リーグでは否定されているスタイルですが、原監督は一人で決める。スカウトの決定もひっくり返そうとするし、スカウト部長が原監督の逆鱗に触れて更迭され、先日までしばらく空席だったほど。山口オーナーは暴力団排除の旗を掲げているのに、球場に反社の男を招待していた中田翔を、自分の一存で入団させる。歴代の巨人監督は、川上も、長嶋も、王も、良くも悪くも読売に首根っこを押さえられていました。ところが原監督は、販売、不動産、巨人という読売の3本柱を押さえた山口オーナーにして、グリップできません」

 山口オーナーには、日テレ出身の今村司球団社長への遠慮もあるそうだが、今村氏も原監督に逆らえないことは、言うまでもない。

 さて、前出の張本氏は、原監督の采配自体は、それなりに評価したうえで、

「岡本はステップを少し修正すれば、50本くらいホームランを打てる。中田はバットを無茶振りしているだけ。でも、選手一人ひとりに技術を教えるコーチがいない。選手に配慮できるコーチが少ない」

 と指摘する。が、コーチの無気力も原監督の暴走に原因があるとしたら……。

「週刊新潮」2021年10月28日号 掲載