米大リーグのエンゼルス・大谷翔平(27)の周辺が騒がしい。よき理解者だったマドン監督解任に加え、開幕前の時点で球団との契約延長交渉が不調に終わっていたと報じられたのだ。早くも来季の去就が注目される中、メジャー最高の年俸を手にすることはできるか。

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 6月14日、米メディアが来季終了後の2023年にFA権を取得する大谷に対し、エンゼルスが今春キャンプ中に契約延長交渉を行ったと伝えたが、これは一体どういう意味なのか。

「非公式の話し合いということで、まだ具体的な金額や契約年数を話す段階ではないと思います」

 そう話すのは、現地で取材する「Full-Count」編集部の小谷真弥氏だ。

「あくまで勝負は今季オフの交渉で、それまでにチームがプレーオフに進出できるか否かで、大谷選手もエンゼルスと長期契約するか見極めることになると思います。彼の最優先事項は勝てるチームで活躍し、技術を高めることにありますから」

球団の懐事情

 実際、昨年9月に大谷は「勝ちたい(優勝したい)という気持ちが強い」と訴えたが、昨シーズンまでエンゼルスは4年連続4位。プレーオフ出場はかなわず、今季も14連敗など辛酸をなめている。「7月が正念場」といわれ残り100試合を切ったメジャーリーグで、エンゼルスが優勝争いに絡む可能性は限りなく低い。

 エンゼルスとしては監督解任でチームを上昇気流に乗せ、今季オフで大谷を引き止めたい意向だが、球団の懐事情は芳しくない。

「万が一のトラブル」

 大谷のチームメイトであるマイク・トラウト(30)は、契約終了まで2年を残した19年の開幕前に「12年契約で総額4億2650万ドル(約575億円)」の超大型契約を結んだ。現在の大谷の年俸は約7億4千万円とされ“過小評価”といわれているだけに、来季以降で大型契約を結ぶとなれば、たちまち球団は予算不足で他の補強に手が回らなくなってしまうのだ。

 さらに大谷が複数球団の争奪戦となれば、メッツのM・シャーザー投手(37)のメジャー最高年俸約59億円を超え、60億円も夢ではないとの報道もある。ちなみに日本人メジャーリーガーの最高年俸は、パドレスに所属するダルビッシュ有(35)の約28億円と聞けば、いかに“大谷相場”が高騰しているかが分かる。

 他方で、18年に右肘、19年に左膝の手術をした大谷が、年間を通じて活躍できたのは米4年目の昨年が初めてのこと。その点を心配するのは、メジャーリーグアナリストの福島良一氏だ。

「万が一のトラブルに大谷が見舞われたら長期離脱を余儀なくされます。彼のような20代の超一流なら10年契約が相場でも、二刀流は比較できる選手がおらず、あと何年活躍できるか分からないリスクがつきまとう。まずは怪我なくシーズンを終えてほしいです」

「週刊新潮」2022年6月30日号 掲載