羽生、宇野の強敵 ネーサン・チェンは4回転の申し子 4年前の羽生をほうふつ

羽生、宇野の強敵 ネーサン・チェンは4回転の申し子 4年前の羽生をほうふつ

 平昌五輪の金メダル有力候補に挙げられるチームジャパンのエースたちには、強力な世界のライバルが存在する。フィギュアスケート男子でソチ五輪王者の羽生結弦(23)=ANA=と、次代のエース・宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=にとって、最大の難敵は5種類の4回転ジャンプを跳ぶ“4回転の申し子”ネーサン・チェン(18)=米国=だ。五輪後に名門大学進学も見据える文武両道スケーターが日本勢の連覇に立ちはだかる。

 滑るたびに進化していく。右肩上がりの成長曲線は、4年前、ソチ五輪王者へと駆け上がっていった羽生結弦をほうふつとさせる。男子では66年ぶりの連覇を狙う羽生、そして日本の未来を担う宇野の前に立ちはだかるのは、“4回転マイスター”チェンだ。

 シニアデビューの昨季、驚異的な成長ぶりを見せつけた米国の新星。昨年2月、平昌五輪の会場で行われた“プレ五輪”の四大陸選手権では羽生らを抑えて優勝した。

 史上初めて5種類の4回転ジャンプ成功者となった今季も勢いは加速。昨年12月のGPファイナルで宇野を下して初優勝し、年明けの全米選手権では315・23点のハイスコアで連覇を飾り、米国代表入りを決めた。「五輪は自分にとって大きなステップ。準備はできているよ」と、自信を深めている。

 米ソルトレークシティー生まれ。5人兄弟の末っ子として育った。2002年、同地で行われた五輪の観戦をきっかけにスケートを始めた。ただ、全てが順風満帆だったわけではない。中国からの移民だった両親。生活が軌道に乗るにはかなりの時間がかかった。

 「当時、所持品もお金もなかった。研究者の父は、米国で働くために勉強して資格を取らなければいけなかったし、父が働いて勉強している間は、母が5人の兄弟の面倒を見てくれた。大変な思いをしたと思う」

 父が失業し、チェン自身も練習ができない時期もあったという。それでもスケートも、そして勉強も諦めることはなかった。学業ではトップレベルの成績を誇り、将来の目標は医師。平昌五輪後には、名門ハーバード大やスタンフォード大への進学を視野に入れている。

 今季のフリーは映画「小さな村の小さなダンサー」の音楽。実在する中国出身のダンサーが、米国で成功を収めていく物語を描いている。ただ、重ねるのは自身よりも両親の姿だという。

 「両親と共通点がある。中国から米国へ移民としてきて、いろんな苦しみや体験をしてきた。僕がいい人生を送るために、一生懸命苦労をしてくれた。いい表現、いい演技につなげたい」−。

 文武両道スケーターが最高の舞台で見せる感謝の舞は、日本勢の最大の脅威となる。

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