「ドジャース6−5ダイヤモンドバックス」(2日、ロサンゼルス)

 ドジャースの大谷翔平選手(29)が、本拠地ドジャースタジアムで行われたダイヤモンドバックス戦で27号2ランを含む4打数3安打2打点。球団恒例イベント『日本の日』にチームの逆転サヨナラ勝利に貢献するとともに、自身は日本選手3人目となるメジャー通算500打点に到達した。

 仁王立ち。打席から一歩も出ることなく、夜空にかけたアーチを眺めた。仲間を勇気づけた一時逆転の一打。「大きく試合が動くところであったのでいい感覚だったと思います」。一塁ベース手前で、ベンチの前で、ベンチの中で、大谷が何度も大声を上げて喜びを爆発させた。

 超満員5万2931人を熱狂させたのは1点を追う七回無死一塁。「なんとか後ろの2人にしっかりつなげればいいと思っていた」。1ボールからの2球目、内寄り高め、甘く入ったスライダーを逃さなかった。

 「多少遅れ気味にスイングしたことによってああいう形になった」

 力と技の融合。飛距離132メートルの打球が右中間席中段に着弾すると、観客の興奮は最高潮に達する。どよめきと歓声はいつしかMVPコールに昇華した。

 この日は「ジャパニーズ・ヘリテージ・ナイト」と銘打った日本の文化を紹介する球団の恒例イベント。「きょうのような特別な日に打てたこともそうだし、勝てたこともよかったかなと思います」。2打点でメジャー通算501打点とし、日本選手ではイチロー、松井秀喜に続いて3人目となる節目に到達。千両役者ぶりを発揮した試合に満足感を漂わせた。

 直近14試合で10本塁打。相手投手の左右に関係なく、無双状態にある背番号17にロバーツ監督は「高めに浮いた球は必ずホームランにしているような気がする」と感嘆の声。初球161キロの後に144キロ変化球を完璧に捉えたことに「これが彼なんだ。球の見極めができている時の彼を超える選手はこの星にはいないと思う」と最大級の賛辞を贈った。

 3安打で首位打者と本塁打キングの座を堅守。打点でもトップに4差に迫っている。三冠王が話題になっているが、「実際に自分がどのくらいの数字なのかまだ把握してないので、自分の中でぱっと思い浮かぶ感じではない。他の人と比べてってことはないかな」とまだ現実味がない様子。頭の中にあるのは、どうすればチームの勝利に貢献できるか。それを実践し続ければ、偉業はおのずと達成される。