「広島1−2阪神」(3日、マツダスタジアム)

 またしても攻略できなかった。広島・新井貴浩監督(47)は、阪神・大竹に対して通算10戦8敗、マツダスタジアムでは6戦全敗となった敗戦の責任を背負った。これで阪神戦は4連敗となり、今季4度目の3連敗で貯金が6まで減った。まずは4日の一戦で白星をもぎ取り、潮目を変えたい。

 長く続く負のデータが解消されないまま、イニングだけが進んでいく。見せ場は一時同点とした五回のみ。天敵の前に、またもや赤ヘル打線が屈した。大竹には通算10度の対戦で8敗目。新井監督は「これだけ何回も同じ投手にやられるというのは、全ては私の足りなさだと思います」と敗戦の責任を背負った。

 この日は石原をプロ初の5番で起用し、5月8日の対戦(甲子園)で大竹から一発を放っている中村健を8番に据えた。しかし、四回まで一人の走者も出せない。平凡な外野フライ、正面へのゴロ、三振…。スタンドは大きなため息に包まれた。130キロ台後半の直球にチェンジアップ、スライダーを投げ分けられ、凡打を重ねた。厄介だったのは80キロに満たないスローボール。満遍なく各打者にちりばめられ、朝山打撃コーチは「邪魔でしょうね。選手からしたら」と説明した。

 その上で「どちらかと言うと、球が遅いから『探って入っているな』というのはある。遅い球の残像で130キロが捉えられないという傾向かな」と打ち取られ方を分析。遅球があることで、130キロ台の直球と緩急差が生まれ、そこに手を焼いてしまう。これでマツダスタジアムに限れば、昨季から左腕に6戦全敗。本拠地であるはずなのに、完全に引き立て役に回り続けている。

 打線は五回2死から菊池が相手失策で二塁に進んだ。ここで矢野がチーム初安打となる右翼線への適時三塁打。意地の1点を刻んで同点としたが、なおも2死三塁で中村健が投ゴロに倒れた。結局、大竹には7回1失点(自責点0)の好投を許して黒星。新井監督は「しっかり試合を見直して、また対戦する相手だと思うので。あとは私がしっかり考えたい」と自らに言い聞かせるように話し、次回対戦でのリベンジを描いた。

 チームはこれで阪神戦4連敗。対戦成績はここまで5勝6敗1分けで、6度の敗戦のうち、4度が1点差ゲームと接戦に持ち込んでいる。「タイガース戦に限らず、ほとんどの試合はロースコアでピッチャーが頑張ってくれている。どのようにして点を取っていけばいいのかっていうのは私が考えるところ」と指揮官。今日こそナイン一丸で相手に襲いかかり、停滞ムードを打ち破る。

 ◆無念…阪神・大竹に10戦8敗&マツダ全敗 阪神・大竹との通算対戦成績は10戦8敗に。初対戦となった2023年4月19日からこの日までの対戦打率は.197と大苦戦中。加えてマツダスタジアムに限れば6戦全敗となってしまった。