リーグ戦再開を前に、デイリースポーツ評論家の藤田平氏(73)が阪神の選手を1人ピックアップし、ここまでのプレーを分析した。ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)=近大=の成長スピードに触れ、交流戦期間を経てチーム状況にも変化があった中、変わらず首位を走るチームと同選手に期待を寄せた。

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 佐藤輝はリーグ戦再開後も心配ない。期待したいのは巨人・岡本和、ヤクルト・村上との三つどもえの本塁打王争い。成長スピードが素晴らしく速いことは触れてきた。そこに経験を重ね確実性を加えればタイトルも射程圏内となるだろう。

 フルスイングでなくても本塁打を打てる。そういった打撃面での進化は交流戦でも見られた。まず1試合3本塁打を放った5月28日・西武戦での1本目。外角フォークを泳ぎ気味で仕留めた。

 自然と打球が上がる持って生まれた能力を持つ打者だ。昔でいえば大きな放物線アーチが特徴だった田淵だろう。他者がマネできない天性の力ともいえる。また、6月8日・日本ハム戦で4三振したが翌9日の同戦で2安打2打点。切り替えの早さも佐藤輝の長所。好打者の条件はスランプ期間が短いことだ。

 今月12日の楽天戦で田中将から打った本塁打にも触れたい。引きつけなければファウルとなる内角低めのスライダーを右中間へ打った。サムライで例えれば『居合抜き』のようなスイング。十分に引きつけて刀をスパッと抜くのと似た感覚だ。

 一線級投手への対応力も進化している。本塁打王を争いながら、チームのリーグ優勝が実現すれば、佐藤輝のシーズンMVPの可能性も出てくるだろう。