日本語には様々な熟語や慣用表現がありますが、全ての意味を正確に覚えるのは至難の業。この記事では“誤用”しがちな言葉を3つピックアップして紹介します。いざという時に恥をかかないように、正しい意味を確認していきましょう。

職場トラブルの原因に?「煮詰まる」の誤用

「煮詰まる」という言葉は料理の過程を指すために使われますが、会社や学校などでは「議論が煮詰まる」などの表現を見かけることも。しかしこの用法には思わぬ落とし穴が潜んでいるようです。

 Twitter上では以前、とあるユーザーが「『煮詰まる』が2通りの意味で使われて、仕事がカオスな様相を呈した」といった呟きを投稿し、話題を呼んでいました。そのユーザーによると作家業の人間が「物事が行き詰まる」といった意味で使用するのに対して、編集部では辞書的な用法である「物事がまとまってきた」というニュアンスを重視。どちらの意味を採用するかをめぐって、様々な編集部で押し問答が生じていたといいます。

 文化庁が行った平成19年度の「国語に関する世論調査」によると、「煮詰まる」は本来「(議論や意見が十分に出尽くして)結論の出る状態になること」を意味する言葉。しかし世論調査では正しい用法を理解している人の割合は56.7%に留まっていて、37.3%は正反対の意味である「(議論が行き詰まってしまって)」結論が出せない状態になること」を選んでいました。

雨が降っている状態は「雨模様」じゃない?

「雨模様」も正反対の意味で用いられることがある言葉。平成22年度の「国語に関する世論調査」を見てみると、47.5%の人が「小雨が降ったりやんだりしている様子」という選択肢を選んでいましたが、実はこの用法は誤用とされています。

 本来は雨が降っている状態ではなく「雨が降りそうな様子」を指すそうですが、正しい意味を理解している人は43.3%しかいませんでした。

 とはいえ朝の情報番組などでは、雨天を「雨模様」と表現するケースもある様子。「NHK放送文化研究所」の公式サイトによると、“誤用”がすでに定着しているため、小雨が降っていたり天候が少し荒れている場合には「雨模様」を放送で使うこともあるそう。ただし解釈が分かれる表現なので、天気予報では使用を避けているそうです。

誤解を招きがち?「手をこまねく」の意味

「手をこまねく」の正しい意味は、「物事が起きるのを何もせずに待っている」というもの。しかし平成20年度の「国語に関する世論調査」では、誤用とされる「準備して待ち構える」という選択肢を答えた人の割合は45.6%に達していました。

 実際に何かのきっかけで正しい意味を知り、驚いてしまう人も多い様子。ネット上では「罠でも張って待ち構えることだと思ってた…」「正しい意味を知って、日本語は奥が深いなとしみじみした」といった声がよく上がっています。

 日本語の世界には、調べれば調べるほど面白い事実が眠っているのかもしれませんね。

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