1位は国産パスタ製造も行う神戸の卸売企業、

年収が低い企業ランキング2020最新版【大阪府を除く近畿地方・全100社完全版】


老舗百貨店はコロナ禍で窮地

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「大阪府を除く近畿地方で年収が低い会社ランキング」を作成した。対象は、大阪府を除く近畿地方(京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀の1府4県)に本社を置く上場企業(本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ)。

 単体従業員数20人未満の企業は除外している。対象期間は2019年6月期〜20年5月期。順位は小数第2位以下を加味している。では早速、ランキングを確認していこう。

 1位は日本製麻(兵庫県神戸市)で、2020年3月期の平均年収は321.7万円。同社は、土のう袋など黄麻製品や包装資材の輸出入および製造を行うほか、国産パスタ製造など幅広く事業を展開している。なお、関連性の低い事業を複数手掛けて多角化している中小企業は経営が厳しい傾向がある。

 また同社は、自動車用フロアマットの製造販売も行うが、新型コロナウイルスの影響で自動車業界全体の見通しが不透明な状況になっている影響などを受け、減収となっている。

 2位は山陽百貨店(兵庫県姫路市)で、平均年収が342.4万円だった。全国的に百貨店は、コロナ禍で営業時間を短縮せざるを得なくなり、客足が遠のくなど、窮状は報道されている通りだが、山陽百貨店も不安定で厳しい状況にある。1月13日には、親会社の山陽電気鉄道によるTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。これにより、同社は山陽電気鉄道の完全子会社となり、同社株は上場廃止となる見込みだ。

 3位はフジプレミアム(兵庫県姫路市)で、362.5万円だった。同社は、精密貼合技術を使った関連事業を主力とするほか、太陽光発電システムなどの製造・開発などを行っている。前年度の平均年収は346.7万円だったが、今年度は4.3%上がった。前年度は精密貼合技術を使ったディスプレー・タッチパネルなどの事業が、自動車業界あるいは医療機器業界向けなどの高付加価値マーケットからの引き合いが順調だったことも影響し、売上高も伸びたようだ。

 ただ、新型コロナウイルスの影響で、同社も関与する国内外のディスプレー・タッチパネル市場などがしばらく冷え込むことは必至。市場のさまざまな変化に対応すべく、同社の模索は続く。

厳しいアパレル事業…
投資家の間で有名な超低位株の企業が10位

 4位の農業総合研究所(和歌山県和歌山市)は、主に農家の直売所事業(全国の生産者および農産物直売所と提携し、都市部で委託販売などを行う)を手がける企業で、平均年収は365.3万円だった。2007年に設立されたベンチャー企業で、日本全国に事業を拡大中のため、人員を増やし、売上高も上昇傾向にある。

 5位の小売業、オンリー(京都府京都市)はスーツを中心とした紳士服・婦人服の製造小売り事業を展開していて、平均年収は372.0万円だった。2021年1月現在、北海道から九州まで全国60店舗を構えている。ただテレワークの普及によって、スーツの着用人口は減少している上に、大手アパレルの実店舗も閉店が相次いでいて、業界全体の雲行きは怪しい。

 また、6位はゲームソフト開発を行うトーセ(京都府京都市)で平均年収385.5万円、7位は繊維製品のフジコー(兵庫県伊丹市)で同395.2万円、8位は技術者派遣事業などを行うエスユーエス(京都府京都市)で同396.8万円、9位は鉄鋼事業のイボキン(兵庫県たつの市)で同400.0万円だった。

 10位はベビー・子ども服メーカーのキムラタン(兵庫県神戸市)で、平均年収は400.2万円だった。投資家の間では、株価が20〜30円を記録することの多い超低位株の企業としても知られている。アパレル業界は前述した通り、コロナ禍で苦境に立たされていて、同社も例に漏れず厳しい。

 ただ、全国に展開するショップの多くが総合スーパーの売り場にあるため、緊急事態宣言で休業となった店舗は少なかった。今の苦境を同社がどう乗り切るのか、投資家たちも注目している。

 なお、今回のランキングの完全版では、平均年収が低い上場企業100社を掲載している。そのうち年収450万円未満の16社については、業種別の傾向も分析しているので、ぜひチェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)