今回で5年目となる恒例の好評企画が、この「40歳年収が高い会社ランキング」です。全上場企業を対象として、独自に「40歳時の年収」を推計。その結果をランキング形式で大公開します。(ダイヤモンド編集部副編集長 鈴木崇久)


40歳年収が高い会社トップ1000社ランキング【2021年完全版】


40歳年収が高い会社ランキング
1位は唯一の2000万円超え

 今回は、今年で5年目となる恒例の好評企画「40歳年収が高い会社ランキング」の最新版をお届けします。

 詳細なランキング作成方法は後ほどお伝えしますが、全上場企業を対象に40歳時点の年収を独自に推計。その結果をランキング形式でまとめました。

 では早速、トップ5を発表していきましょう。

1位はM&Aキャピタルパートナーズ
推計40歳年収は2321.9万円

 栄えある第1位に輝いたのは、M&A(企業や事業の合併・買収)の仲介サービスを手掛けるM&Aキャピタルパートナーズです。推計40歳年収は2321.9万円!今回唯一の2000万円超えを達成しました。

 M&A仲介企業はこの「40歳年収が高い会社ランキング」でも上位の常連。例えば、同業のGCAは2017〜18年版の同ランキングで1位に輝き、19年版でも2位に食い込んでいます。なお、GCAは19年7月にM&Aアドバイザリー業務を新設子会社に承継。純粋持ち株会社体制に移行して従業員がいなくなったため、20年版以降はランキングから姿を消しています。

 そのGCAの他にも、日本M&Aセンターやストライクといった会社が毎年、ランキング上位に名を連ねます。

 今回1位に輝いたM&Aキャピタルパートナーズのホームページによると、同社の従業員の給与は「固定給+インセンティブ+業績連動賞与(年2回)」という構成で支払われ、インセンティブは「上限の無い支給」とのことです。実際に同社の有価証券報告書(20年9月期)をのぞいてみると、人件費の内訳は下記の通り。給料手当に対して賞与が3.7倍も支給されていることが分かります。

 給料手当:4億8255.0万円
 賞与:17億9773.6万円
 法定福利費:1億4349.1万円

 同業のストライクのホームページにも、給与について「成果報酬に上限はありません」とあります。M&A仲介業は、この上限なしの成果報酬によって一般的な企業の給与体系の上限を突破するため、ランキング上位の常連になれるというわけです。

2位はキーエンス
推計40歳年収は1782.4万円

 2位も同じく「40歳年収が高い会社ランキング」上位の常連、キーエンス(1782.4万円)です。主に工場の自動化(ファクトリーオートメーション、FA)用機器の制御に使うセンサー機器を扱っています。40歳推計年収で1782.4万円という数字をたたき出しました。

 キーエンスのすごさを端的に表しているのは、その収益力の高さです。

 事業規模を表す「売上高」は、5381億円(21年3月期)と、同業他社と比べてさほど目立ちません。ところが、「本業の稼ぎ=営業利益」が売上高に占める割合を示す「売上高営業利益率」を見ると、キーエンスのケタ違いのすごさが分かります。

 売上高に対していかに利益を稼ぎ出しているかを示す指標ですが、キーエンスの売上高営業利益率はなんと51.4%(同)もあります。企業規模を考えれば、日本企業トップクラスの高水準。この高収益率こそ、高年収の源泉となっているのです。

3位はヒューリック
4位は三菱商事、5位は伊藤忠

 キーエンスに次ぐ3位となったのは、不動産業を手掛けるヒューリック(1712.8万円)。同社は12年7月の昭栄との合併後、12年12月期から直近の20年12月期まで、営業利益・純利益ともに9期連続で増益という実績を上げてきました。

 それとリンクするように「40歳年収が高い会社ランキング」でも下記の通り、順位も推計40歳年収も年々右肩上がりを続けてきました。今回は順位、金額ともにわずかに後退しましたが、それでも1700万円超えの高水準をキープしています。

 17年 10位 1278.1万円
 18年 5位 1416.2万円
 19年 4位 1637.8万円
 20年 2位 1761.6万円
 21年 3位 1712.8万円(今回)

 一方、4〜5位に目を移すと、高年収の代名詞である総合商社の2社がランクインしました。

 4位 三菱商事(1659.6万円)
 5位 伊藤忠商事(1613.7万円)

 三菱商事と伊藤忠は近年、業界序列を決める純利益レースで熾烈な争いを繰り広げてきました。そして21年3月期では、伊藤忠が純利益4014億円を稼いで商社業界トップに返り咲き。一方、業界の盟主として君臨し続けた三菱商事は、前期比67.8%減の純利益1726億円となり、業界4位に沈む屈辱を味わいました。

 しかし、このランキングでは僅差で三菱商事が伊藤忠を上回りました。来年は2社の順位に変動があるのか気になるところです。

40歳時点の推計年収を
どのように算出したのか?

 さて、ここで今回掲載したランキングの算出方法を解説したいと思います。

 まず今回のデータは、「有価証券報告書」(有報)で公開されている提出会社の平均年間給与(年収)を基にしています。対象期間は20年4月期〜21年3月期としました。

 ただし、この公開データは各社の従業員の平均年齢がばらばらであるため、本来は横並びで比較することができません。従業員の平均年齢が高いほど年収も高くなりがちだからです。

 そこで、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(20年)を基に、10業種(建設、製造、情報・通信、運輸、商業〈小売り・卸売り〉、金融、サービス、電気・ガス、不動産、その他)の賃金カーブを多項式モデルによって作成。それを各社のデータに当てはめて、40歳時点の推計年収を求めました。

 このように比較可能なデータとして整備してはいるものの、このデータには厄介な「クセ」がいくつかあります。持ち株会社(ホールディングス)と事業会社が混じっていることです。

 持ち株会社として上場している企業の中には、経営企画や人事系など、少数の幹部社員のみしか在籍していないところがあります。すると、その企業の実態よりも年収が高く出てしまう恐れが強いです。そうした「クセ」の影響をなるべく排除するために、有報の提出会社のうち、従業員が100人未満の会社はランキングから除外しています。

 一方で、公開された年収が低い企業の中には、一般社員よりも年収が低い契約社員を含めている場合があります。他にも、定年退職者の雇用を積極的に進めているビル管理業系の企業や、地方に本社を構える企業も年収が低くなる場合があります。

 こうした事情を踏まえてランキングをご覧ください。参考までに決算期時点の各社の従業員数も掲載しています。

 また、ランキング6位から1000位までの全1000社を網羅した『40歳年収が高い会社トップ1000社ランキング【2021年完全版】』も、ぜひ併せてご覧ください。