『週刊ダイヤモンド』8月20日号の第1特集は「ホテル序列大激変」です。再び開業ラッシュが始まったホテル市場は、業界の構造も序列も勢力図も激変。変化の様は、旅に出たい欲求が最高潮に達している中で利用者たちの声を集めた「泊まりたいホテルランキング」にも表れました。


ホテル業界、開業ラッシュで大賑わい!復活の裏で塗り替わる勢力図と「新たな覇者」


御三家・新御三家・新々御三家で
トップ10入りは帝国・オークラだけ

 日本のホテルでは長らく、「帝国ホテル 東京」「The Okura Tokyo(旧・ホテルオークラ東京)」「ホテルニューオータニ」が「御三家」と呼ばれ、要人を迎える迎賓館として別格の地位に居続けた。

 1990年代に入ると外資系ラグジュアリーホテルの進出ラッシュが始まり、外資系ブランドの「パーク ハイアット 東京」「フォーシーズンズホテル椿山荘 東京(現・ホテル椿山荘東京)」「ウェスティンホテル東京」が「新御三家」と呼ばれた。

 2000年代の第2次進出ラッシュでは、「マンダリン オリエンタル 東京」「ザ・リッツ・カールトン東京」「ザ・ペニンシュラ東京」が「新々御三家」と呼ばれたりもした。

 もっとも、ダイヤモンド編集部が独自のアンケートを基に作成した「休暇で泊まりたいホテルランキング」でトップ10にランクインしたのは、御三家、新御三家、新々御三家の中で帝国ホテル 東京とThe Okura Tokyoだけだった(下図参照)。

 なぜ、御三家、新御三家、新々御三家は、わずか2軒しかランクインしなかったのか。

2010年代に開業したホテルが
3軒ランクイン

 時代が移る中で、日本に昔からあるホテルは外資系ブランドの勢いにおされていった。外資系ブランドも軒数が増えてくると、希少性が薄まったり、後から開業するブランドに人々の関心が移ったりして、人気上位を維持するのは簡単ではない。

 トップ10には、19年開業の「ハレクラニ沖縄」、12年開業の「ザ・リッツ・カールトン沖縄」「星のや竹富島」と、2010年代に開業したホテルが3軒ランクインした。

 ハレクラニ沖縄は不動産デベロッパー大手の三井不動産が手掛けているもので、ザ・リッツ・カールトン沖縄は世界最大のホテル運営会社である米マリオット・インターナショナルが運営するもの。星のや竹富島はホテル専業大手の星野リゾートが展開している。

 ここから見えてくるのは、開業ラッシュの時代にリーダーとなるには、資金力、開発力、運営力を備えてスピードについていくことが重要ということだ。全てを自前にする必要はなく、パートナーとして求められる存在であればいい。

 御三家しかり、所有して運営も行う「直営」を基本としてきた日本のホテルの典型であり、どんどん開業していくプレーヤーではない。

 対して、三井不動産は資金集めと開発力に長け、運営は自前と委託を使い分ける。ホテル専業であるマリオットと星野リゾートは、運営に特化して磨き上げ、運営会社の中で優位に立つ。開業ラッシュが繰り返される中で、彼らは既存ホテルでも新規開業でも業界で圧倒的な存在感を放つ。

 これらの会社が開業を予定するホテルは、「開業したら泊まりたいホテルランキング」でもしっかりとトップ10にランクインしている。