コロナ禍を脱し、日経平均株価が過去最高値を記録するなど経済が大きく変わろうとしている。そんな中、主要企業はどの大学から学生を採用したのか。業界別・企業別に2023年「採用大学」ランキングを作成した。今回は、キリン、アサヒビール、サントリーグループ、サッポロビールのビール会社4社のランキングをお届けする。(文/ダイヤモンド・ライフ編集部、データ提供/大学通信)


4大ビール会社「採用大学」ランキング2023最新版【全10位・完全版】


2022年のランキングでは
早慶、明治がトップ

 ビール業界でトップシェアを長らく守ってきたキリン。そこに1987年、アサヒビールが「スーパードライ」の投入で挑戦状をたたきつけてから数十年、消費者の嗜好(しこう)の多様化や若年世代のアルコール離れなどがあり、ビール各社はビール以外の多彩な商品ラインアップをそろえてきた。

 さらに海外企業の買収や事業の多角化なども進めており、総合飲料・食品メーカーとしてのイメージが強くなっている。

 そんなビール業界の大手4社、サントリーグループ、キリン、アサヒビール、サッポロビールの直近の決算では、飲食店向けの販売が回復したことや酒税改正に合わせた新商品の投入などにより、各社好調な業績となった。

 22年の4大ビール会社の採用大学ランキングを見ると、1位はサントリーグループ、キリンが早稲田大学、アサヒビールが慶應義塾大学、サッポロビールが明治大学だった。

 果たして、23年のランキングに変化はあったのだろうか。

早慶、MARCH、国立が上位も
企業ごとに特色が異なる

 23年のランキングでは、キリンは1位が早稲田大学、2位が京都大学、3位が東京大学と立教大学だった。

 アサヒビールは、1位が早稲田大学、2位は九州大学、慶應義塾大学、同志社大学、関西学院大学が並んだ。国立、早慶が上位に来ているのはキリンと同じだが、その後に関関同立勢が追随している点が異なる。

 サントリーグループは、1位が慶應義塾大学、2位が早稲田大学で早慶が強さを見せた。

 サッポロビールは、1位に明治大学と同志社大学が並び、3位が早稲田大学だった

 ビール、飲料、たばこなどの企業はグローバルで再編してきた歴史がある。海外進出の時間短縮のため、外資系をM&Aで買収するケースだ。海外展開が進むビール業界で働きたい人にとっては、挑戦する心が大事だ。海外のバイヤーなどに強い気概を持って立ち向かわないといけないからだ。

 また、多角化も進んでいる。例えばキリンは、医薬品や健康食品などのヘルスサイエンス事業に力を入れている。こうした分野のトレンドは移り変わりが激しいため、時代の流れを先読みするアンテナの高さも必要だ。新たな主力事業のカテゴリーを創出するくらいの好奇心が旺盛な人なら、活躍の場も増えるだろう。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

【ランキング表の見方】
医科・歯科の単科大等を除く全国749大学に2023年春の就職状況を調査。567大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数にグループ企業を含む場合がある。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。東京大学は「東京大学新聞」、京都大学は「京都大学新聞」より集計。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載した。企業名は大学通信の調査方法にのっとって表記しており、正式名称と異なる場合がある。(調査/大学通信)