綿半

 5月10日に綿半ホールディングス(長野県)が発表した2024年3月期決算(連結2023年4月1日〜2024年3月31日)は、売上高が前期比4.6%減の1,280億円、営業利益が17.5%増の28億円、経常利益が5.9%増の32億円、当期純利益は12.2%増の18億円となった。

 小売事業については、売上高が1.6%増の788億6,800万円、セグメント利益は物流の効率化や積極的なオリジナル商品開発が寄与して78.4%増の13億6,000万円を達成した。

 スーパーセンター、ホームセンター、食品スーパー、ドラッグストア、インターネット通販など多様な業態を展開する小売事業では、店舗改装・新業態の開発を継続して進め、流通網の拡大とオリジナル商品の開発・SPA化の加速に取り組んだ。

 ペット関連部門強化のため、昨年6月には人とペットのための総合ドラッグストア「ウェルネスライフガーデン」をオープン。今年3月には「綿半ホームエイド庄内店」をリニューアルし、ペット商品や職人向け資材の拡充を図った。

 流通網の拡大については、世界各地から食料品を直接仕入れるなど、新たな仕入先の開拓に注力。魚介類の仕入れでは、漁船で獲れた魚を丸ごと買い付ける「一船買い」の取り組みを行ったほか、他社との共同配送・共同仕入れを開始することで物流の効率化を図り、鮮度の高い商品をより安く提供することに力を入れた。

 また、食品や日用品、ペット用品などオリジナル商品の開発を加速させ、売場も拡充。養豚業のDXを支援するEco-Porkと資本業務提携し、将来的には店内で販売する国産豚肉を自社で賄える年間6,000頭の出荷を目指し、豚舎の新設も進めている。

 2025年3月期の連結業績については、売上高で3.1%増の1,320億円、営業利益で12.3%増の31億7,000万円、経常利益で4.1%増の33億7,000万円を見込んでいる。

著者:ダイヤモンド・リテイルメディア デジタル推進室