2023年の10月7日(土)〜8日(日)の2日間、横浜で開催された初のレザーイベント「Leathers Day」。ライトニング、2nd、クラッチマガジンでお馴染みのレザー関連のブランドが集結し、定番モノを中心に新作などを展示販売するこのイベントで見つけた、各ブランドの新作をご紹介。革ジャンやブーツだけでなく、革小物もピックアップ!

各ブランドが新作&イチオシを堂々お披露目。

今回のイベントでは今季の新作モデルをお披露目するブランドも多かった。その中でも個性的で特に目を引いたアイテムをご紹介。

幅広いスタイルにフィットするレザー製品を生み出すエーレザー。今季のテーマはミリタリー。エーレザー特有のしなやかで強い革を使い、MA-1やカーゴパンツにリプロダクトしている。かっちりしすぎないファッショナブルなアイテムが勢揃い。

こちらは天神ワークスとクレイティのブース。こちらが新色のグレージュで、ボディをグレージュにして袖を別カラーにして遊ぶこともできるという。

大阪のアメリカンカジュアルショップ、アメリカンワナビー/ナストイズでは、ショットとのコラボアイテムのパーカ、スウェット、Tシャツを紹介。

アメリカンワナビー/ナストイズではブルーグレーのような絶妙な色合いの革小物も推しのひとつ。どのような経年変化を見せてくれるのか試してみたい。

1950年代のアメリカの空気感をコンセプトにしたバーンズアウトフィッターズ。イチオシとして紹介していたのがコードバンのユニバサールジップウォレット。新喜皮革のコードバンを採用した美しい仕上がり。

バーンズアウトフィッターズの栃木レザーを使用したベルト。

丈夫で長く使える革製品として絶大な支持を受けるヘルツ。数ある製品の中で厳選されたロングセラーをメインに展示していた。その中で一際目を引いたのが、50周年記念で製作されたボストンバッグ。クラシカルで旅をしたくなるデザインだ。数量限定で販売。

編集部が気になった革小物たちも紹介!

今回のイベントでは実に様々な革小物に出会えることができた。会場内を見渡す中で、個性的な革製品も多く発見! 編集部が気になったアイテムをピックアップしてみた。

英国王室御用達で知られるホワイトハウスコックスが、2022年末をもって製造を終了した。今回はその在庫セールを開催。また同時に同社の職人による新しいブランド「ベオーマ」の製品もこの場でお披露目された。ホワイトハウスコックスの遺伝子を受け継いだ製品群に今後も注目。

ライトニングでもお馴染みのベルトメーカー、ヴィンテージワークス。経年変化と個体差に特化したプロダクツは、ひとつひとつ表情が異なるのが魅力。高い品質で永く使えるベルトといえよう。イベントでは、定番モノを中心に販売。バリーションも多く見応えもたっぷりだった。

バスケットボールや野球のボール、グローブ、サッカーボールなどに使う素材から作ったレザーアイテムを展開したナダヤスポーツ。通常はオンラインショップのみの販売だそうで、実際に手に取ってその質感を味わえる貴重な機会になった。

アメリカの伝統工芸であるアメリカンカービングの技法をこれでもかと組み込んだ革小物を展示した大和工房。緻密で美しいライン、立体感のある仕上がりは、来場者を圧倒。オールハンドメイドのカービングの世界を体感できたはず。

カジュアルに使える革小物を提案しているディベルプ。数あるアイテムの中でも、注目したのは巾着タイプのマリンバッグだ。その種類は実に豊富で、中でも新作のメキシカンラグを使ったモデル(写真)は、ヴィンテージのような風合いのデザインが◎

上野に拠点を置く革財布ブランドの池之端銀革店。ギミックの効いた作りが特徴で、イベントではコンパクトな財布を中心にラインナップ。

池之端銀革店ではイベント限定カラーも用意。写真の左はCramp UKブライドルレザー、右はCrampイタリアンシュリンクレザーのスリムウォレット。

手で触れてわかる、“革”という素材。

レザープロダクツの要はやっぱり“革”。一般人がプロダクツになる前の鞣した皮革を見る機会はほとんどないだろう。イベントではタンナーも出店し、上質でこだわりの皮革を展示してくれた。

昔ながらの鞣し工程を守り続ける栃木レザー。革製品メーカーでも同社を採用しているところも多く、その品質の良さは折り紙付きだ。栃木レザーといえば厚みがあって頑丈さがウリだが、新しく柔らかくしなやかな皮革を開発。今後、様々なプロダクツに落とし込んでいくそうだ。

100年以上の歴史を誇るニッピ・フジタのブースでは、30種類ほどの皮革を展示。またカットしたコードバンの販売も行い、レザークラフトを楽しんでいる人に人気だったそうだ。その場で小物を作ってくれるという嬉しいサービスも。体験者はきっといい思い出になったに違いない。

イタリアのトスカーナにあるインカス社のカーフレザーを展示したアスメデル。パステル調だが深みのある独特の色合いが特徴で、その革で製作したステーショナリーはとても上品な仕上がり。当日は使い込みサンプルも用意しており、新品との違いを見ることもできた。

原皮から鞣し、仕上げまでの工程を自社にて一貫生産を行っている新喜皮革。イベントでは皮革の展示のみならず、今回のイベントのみで購入できたホースレザー製のバッグの販売も数量限定で行った。通常は革素材の製造販売のみだけに、特別な逸品になった。

実演やコミュニケーションで広がる革の輪。

今回のイベントは、オーダー受注や実演が行われただけでなく、ブランド側と来場者との出会いの場にもなった。まだ知らないブランドとの出会いは、これからのレザーライフにおいてきっと新しい世界を見せてくれるだろう。

ホワイツブーツのブースでは、定番モノを中心に新作ブーツやアパレル、メインテナンスグッズまで幅広いラインアップで紹介。注目したのは、職人さんによるブーツ製作の実演。ハンドソーンのブーツがどのように作られているのか、また職人さんの所作に立ち止まって見入る人も多かった。

こちらはフォーティセカンドロイヤルハイランドのブース。Lightning編集長の松島親方、編集部ランボルギーニ三浦、雑誌「2nd」のパピー高野による別注レザーシューズの人気投票が開催された。果たして1位になったのは……。レザーズデイのインスタで公開中。

革ジャンからバッグ、革小物まで多種多様なレザー製品を展示していたスタディ ラゲッジ サプライ。奥行きのあるブースに多くの人が訪れていた。右側に設置されたテーブルでワークショップを開催。会場中に「トントントン……」という革工房のような小気味よい音が、2日間響いていた。

「普段できないワガママを聞く場」と話すのはメイカーズの手嶋慎さん。今回は受注オーダーを行っていたのだが、お客さんと会話をすることで、新しいアイデアが生まれるのだそうだ。

レザーケアブランドのサドルアップの講師を招いて、正しい革のお手入れ方法をレクチャーしてもらうワークショップも開催した。この様子はライブ配信され、来場できなかった人も観ることができた。実際にリアルで観ていた人の中には、この後サドルアップのブースに向かった人も少なくなかったはず。

(出典/「Lightning 2023年12月号 Vol.356」)

著者:めぐミルク