高い配当金が安定的に入ってくる「高配当株」への投資が人気ですが、ポイ活主婦であり、優待族の筆者はむしろ「ポイント優待」に注目しています。最近も、三井不動産やソフトバンクなど有名企業がポイント優待を新設しています(文中株価は5月13日終値)。

■ポイント優待のメリット

「ポイント優待」とは、株主優待としてポイントがもらえるもので、そのメリットは、額面そのままを受け取れることです。これに対して配当金の場合、特定口座では税金がかかってしまいます。

たとえば、ポイント優待で1000ポイントもらうと、たいてい1ポイント1円で使えるので1000円相当と考えられますが、1000円の配当金で20.315%の税金がかかると、受け取れる金額は796円になってしまいます。

ただし、これは特定口座の場合です。その点、非課税になるNISA口座を使うと配当金は額面そのまま受け取れますが、NISA口座では非課税で投資できる枠(額の上限)があります。

筆者は、高配当株投資に魅力がないと思っているわけではありません。新NISAが始まり、「配当株」への注目度が高まっている中で、「配当株投資だけでなく、ポイント優待株への投資もポートフォリオにも組み込んだほうがお得」と考えているのです。

まず、優待でもらったポイントは1ポイント1円単位で使えるだけでなく、使い方によっては1ポイント1円以上相当の額で使えます。

たとえば、dポイントやPontaポイントではローソンのお試し引換券で1ポイントを2円相当、つまり2倍相当で使えます。

■「ポイント優待」の注意点

「ポイント優待」にも注意点があり、それは、使うためにスマホアプリなどでの登録が必要なことです(ポイントやアプリの管理が苦手なら、現金を配当金としてもらえる高配当株のほうがいいと考える人もいるかもしれません)。

また、優待でもらったポイント優待の中には有効期限が設定されている場合もあります。

ただこの点については、追加のチャージなどで有効期限が延び、有効期限を気にせずに使える銘柄・ポイントもあります。

■代表的な「ポイント優待」銘柄

最近新設された、また筆者が注目しているポイント優待銘柄がいくつかあります。

ソフトバンク <9434> (株価1947円、最低投資額19万4700円)は4月25日に、株式分割(9月30日に1:10)と株主優待を発表。株主優待は、100株以上を1年以上持っているとPayPayポイント(1000ポイント)がもらえるというものです。分割後は100株2万円弱でポイントがもらえることから、今から注目されています。

三井不動産 <8801>(株価1492.5円、最低投資額14万9250円)は3月1日に株主優待の新設を発表し、ららぽーとなどで使える三井ショッピングパークポイントが、100株で1000ポイント、最大1200株で1万2000ポイントもらえるようになります。

初回基準日は2025年3月31日で、通常は継続して1年以上保有の条件がありますが、初年度だけは、「継続して半年以上保有」と条件はゆるくなっています。

KDDI <9433>(株価4469円、最低投資額44万6900円)や沖縄セルラー電話 <9436> (株価3655円、最低投資額36万5500円)は、2025年度からの株主優待を変更。株主優待が変わり、選べる関連サービスの中からPontaポイントも選べるようになっています。

また、バリューHR <6078> (株価1362円、最低投資額13万6200円)の株主優待でdポイントを選べるようになったこと(2023年12月)、日本電信電話 <9432> (株価160.2円、最低投資額1万6020円)では株式分割が行われて1単元2万円弱でもdポイントの株主優待権利がもらえるようになっています(同7月)。

投資家の間でもポイ活が人気であること、投資・運用とポイント制度の親和性が高いことから、今後も、ポイント優待に参入する企業が増えると期待しています。

文・谷口久美子(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部