2024年10月から児童手当の金額が増えるが、ニュースでは特に第3子の支給額が2倍になる点が強調され、「うちは子供が2人だから関係ない」と思っている家庭もあるかもしれないが、今回の改正でもらえる期間が延びるという朗報もある。

■子供2人でも支給期間延長でもらえる額は増える

2024年10月からの改正でどうなるかというと、もともと中学校卒業までだった支給期間が、高校卒業までに延長されることになった。もらえる額は(第3子でなければ)一人当たり1万円なので、3年延びれば総額は36万円増えることになる。

また、現在は1万5000円の第3子については、3万円に倍増される。

■子供3人でも“歳の差次第”では増える額はあまりもらえない

この2つの改正内容を見ると、「第3子がもらえる総額が108万円増えるのか」(3万円××12ヵ月×3年)と思われるかもしれないが、それはなかなか厳しそうだ。

というのも、子供として数えられるのは22歳までという条件があるだ。

たとえば、3人兄弟がいて第1子と第3子の年齢が10歳離れているとしよう。第1子が22歳に達する年に第3子は12歳。第1子はその年に児童手当の受給対象から外れるので、第3子は第2子という数え方になる。したがってこのケースでは、月3万円もらえるのは末子が12歳までということになるのだ。

このように年齢差が大きい兄弟ほど、児童手当増額の恩恵を受けられる期間は短くなってしまう。児童手当を教育資金などに充てよう考えている人は、兄弟の年齢差も踏まえて資金計画を立てていきたい。

■高所得世帯ももらえるようになるが……

今回の改正点はほかにもあり、所得制限がなくなり全世帯に支給されることになった。現行の児童手当制度では、世帯主の所得が多い家庭は支給対象外だ。

たとえば子供が3人の場合、所得制限の限度額は736万円、収入の目安としては960万円程度で、それ以上給料がある会社員世帯は、現在はもらえないわけだ。

このように、多子世帯にはうれしい改正だが、その財源を確保するために、各種の負担が増える可能性が指摘されている。

たとえば、扶養控除は、控除額が38万円から25万円への縮小が検討されているし、「子ども・子育て支援金」という名目で財源が保険料に上乗せして徴収される案もあり、こちらは年収が高いほど負担も大きい。

所得制限がなくなることで新たに受給対象になった世帯も、負担が増えてしまうことで手放しに喜べることばかりではないようだ。

文/編集・dメニューマネー編集部