セブン&アイ・ホールディングス <3382> が商品券をもらえる株主優待を始めると発表しましたが、この優待で注目したいのは、もらえる商品券に有効期限がない点です。自社商品券を出す株主優待では使用期限があることが多いですが、こうした有効期限がないものもありますし、うまい使い方で期限を延ばす方法もあります(文中株価は5月16日終値)。

■株主優待の使用期限がない代表的な例

セブン&アイ・ホールディングス(株価2023円)が新たに発表した株主優待は、100株以上の保有でセブン&アイ共通商品券(もしくは寄付)をもらえます(3年未満で2000円分、3年以上で2500円分)。この商品券は有効期限がなく、おつりも出ます。

権利確定は毎年2月ですが、初年度にあたる2024年度は変則的なスケジュールで、2024年8月にも優待がもらえます。次回は2025年2月、その次は2026年2月です。

富山、石川、福井3県で食品スーパー展開するアルビス <7475> (株価2598円)も、グループ共通商品券を選べば有効期限がありません。

有効期限がない株主優待は、急いで使わなくていいのでありがたいですが、残念なことに廃止・変更する企業もあります。

ともに有効期限のない株主優待制度を持っていた、福井県が地盤のドラッグストア・Genky DrugStores <9267> (株価5660円)は廃止、自動車用品のオートバックスセブン <9832> (株価1528円)は変更しました。オートバックスは、自社で使えるギフトカードから、店舗で使えるポイント付与(有効期限あり)になりました。

■“有効期限を延ばす”ワザを知っておこう

セブンやアルビスの優待のような有効期限のない商品券ではなく、有効期限がある優待でも、中には期限を延ばす方法がある優待も存在します。

たとえば、ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス <7532> (株価3852円)では、100株以上で2000円分のmajicaポイントがもらえますが、ポイントの有効期限は「最後にポイントが進呈された日から1年」なので、チャージする限り、有効期限は延び続けます。

また、モスフードサービス <8153> (株価3400円)の株主優待券はMOSポイントに変えることができ、MOSポイントは最終付与日やポイントを使った日から1年の有効期限があるため、こちらもチャージする限り有効期限が延び続けます。

ポイントチャージ以外に期限が延ばせるのが、ダスキン <4665> (株価3403円)です。同社は3月・9月に優待券が付与され、有効期限は、それぞれその年の12月末・6月末ですが、そのうち12月期限の優待券を使い、期限切れ間近の12月に優待券で「福袋」を買えば、中に翌年5月末までのドーナツ券が入っているため、使用期限が5ヵ月延ばせます。

■ほかにも有効期限がない株主優待がある

このほかにも、優待の定番であるQUOカードやおこめ券は有効期限がないため、慌てて利用する必要がありません。

期限を気にせず使いたいときに使える優待や、有効期限を延ばせる優待を探してみるとよいでしょう。

文・谷口久美子(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部