ふるさと納税の「ワンストップ特例」制度は、寄附先の自治体に必要書類を送れば控除が受けられる便利な仕組みだが、これを使ったとしても、確定申告をしないと控除されずに、損をするケースがある。

■そもそもワンストップ特例制度が使えないケース

ワンストップ特例制度を利用するにはいくつかの条件があるが、その一つが寄附先の自治体数が5つまでに限定されていることだ。つまり、寄附先が6自治体以上になると、確定申告をしなければ控除が受けられなくなる。

なお、限定されるのはあくまでも自治体の数なので、寄附の回数が6回以上になったとしても自治体数が5つを超えなければ問題ない。

またワンストップ特例制度は、確定申告をする必要のない人が対象となるので、自営業者の人や年収2000万円を超える人は使えない。

さらに、ワンストップ特例制度を使えても、寄附金が限度額を超えた場合は確定申告をすることで控除額が増える可能性がある。ワンストップ特例制度の控除は住民税から10%のみだが、確定申告なら所得税からも還付を受けられるからだ。

限度額は収入が減ってもオーバーしてしまう可能性があるので気をつけたほうがいいだろう。

■ワンストップ特例の申請が無効になるありがちなケース

ワンストップ特例制度を申請していたとしても無効になってしまう、ありがちなケースとして、「医療費控除を受けるために確定申告をした」というものがある。

医療費控除は、家族を含めた医療費が1年間で10万円以上かかった場合に申告できるが、その際にはふるさと納税も一緒に申告しないと、控除が受けられない。たとえ、ワンストップ特例を申し込んでいても、確定申告の際にふるさと納税の分も申告が必要なのだ。

特に思わぬ怪我や病気などで医療費が増えてしまったときは、ふるさと納税の申請漏れに注意しよう。

ワンストップ特例制度を申請していたとしても無効になるケースの2つ目が、住宅ローン減税の初回申請時だ。この場合も確定申告が必要だからだ。

ただし2年目以降は年末調整の手続きをすれば確定申告をする必要がないのでワンストップ特例制度が使える。

もう一つ、ワンストップ特例が無効になるケースとして考えられるのが、ワンストップ特例を申請した後に別の自治体へ引っ越しして、翌年の1月10日までに寄附先の自治体へ転居したことを通知しない場合だ。

その場合でも確定申告をすれば問題ないが、確定申告も忘れてしまうと控除が受けられなくなるので注意が必要だ。

■ふるさと納税初心者が知らないと損すること

寄附した土地の名産品やサービス券など返礼品をもらえるふるさと納税は、既に多くの人が始めているが、「今年から始めたい」「そろそろやらないと損かな」と考えているも少なくないようだ。初めてのふるさと納税で損しないために、以下のことを知っておこう。

■1 ふるさと納税の限度額は人よって違う──収入や扶養親族数などで決まる

ふるさと納税は、自分で選んだ自治体に寄附して返礼品をもらう仕組みだが、自己負担が2000円でお得になる寄附額は人によって額は異なり、たとえば年収450万円の独身会社員の場合、目安は5万2000円だ。

実は寄附額には上限はないため、いくらでも寄附できるが、それではお得にならない。

ふるさと納税がお得な理由は、たとえば返礼品をもらうために3万円分の寄附をしても、翌年2万8000円分の寄附金控除を受けられるから。実質負担2000円で返礼品が手に入るということだ。

実質自己負担2000円でふるさと納税を行える限度額は、収入や扶養親族数などで決まる。

また、年収や扶養親族数が同じでも、生命保険やiDeCoで支払った金額などによっても変わる。ふるさと納税サイトのシミュレーション機能などで限度額を確かめよう。

■2 確定申告したくないなら5自治体以内に抑える

ふるさと納税先が1年間に6自治体を超えた場合、翌年確定申告をしなければならないので注意しよう。

寄附先が5自治体以内なら、寄附した自治体に必要書類を送るだけで、ふるさと納税の寄附金控除を受けられる(ワンストップ特例制度)。

ふるさと納税する際にワンストップ特例を申し込んでも、医療費控除や住宅ローン控除を受けるなどの理由で確定申告した場合、申請はすべて無効となることにも注意が必要だ。

このほかにも知っておかないと損することが2つある。