電気代の節約になるはずだった新電力で、逆に電気代が高くなる現象が発生しています。現在新電力を使っている人は、東京電力を始めとした大手電力会社に戻したほうが、もしかしたらお得かもしれません。その理由は2つあります。

■大手電力会社なら燃料費調整額に上限がある

大手電力会社は燃料費調整額に上限があり、原油価格が高騰しても電気代の上昇は一定の範囲に収まります。

燃料費調整額とは「燃料費調整制度」に則って決められた電気を作る燃料費のことで、石油や石炭などの輸入燃料の調達価格の変動を電気料金に反映しています。

たとえば、東京電力の従量電灯プランの場合、燃料費調整単価の上限は1kWhあたり5.13円です。

一方、新電力会社には燃料費調整単価の上限がありません。

2023年1月の燃料費調整単価は、関東エリアで1kWhあたり12.99円です。新電力で100kWhを利用した場合、東京電力の従量電灯と比べて燃料費調整額が786円高くなります。

新電力の基本料金や電力量料金が多少安いとしても、燃料費調整額の差を埋める金額ではありません。

■燃料費調整額が早期に落ち着く可能性は低い

燃料費調整額がすぐに落ち着く状況であれば、急いで大手電力会社に戻す必要はありませんが、その可能性は低いです。

燃料費調整額が上がった主な原因は、ロシア・ウクライナ情勢の変化です。ロシアの一方的な侵攻が開始した2022年2月から、毎月上昇しています。

大手電力会社の燃料費調整額は上限がありますが、多くの電力会社ではすでに定められた上限に到達していて、上限額をなくすケースが増えています。

その影響で、今冬も各世帯で電気料金がさらに上昇すると考えられます。

ロシア・ウクライナ情勢が解決しない限り、燃料費調整額が落ち着くことはないでしょう。

■大手電力会社に戻す場合も注意が必要

新電力から大手電力会社に戻す場合は、契約するプランを間違えないように注意しましょう。

大手電力会社には、燃料費調整額の上限があるプラン(従量電灯)とないプラン(スタンダードS/Lなど)があります。管轄エリアの電力会社を確認して、必ず上限があるプランを契約しましょう。

ただし、すでに電気料金の値上げを国に申請している大手電力会社が複数あります。今は燃料費調整額に上限が設けられているものの、将来撤廃される可能性がないとはいえないため、注意が必要です。

大手電力会社に戻す場合は、これらのことを踏まえて、本当にその行動が正しいかよく調べたほうがよいでしょう。

文/編集・dメニューマネー編集部